• TOP
  • お役立ち情報
  • GTM戦略の立て方|BtoBマーケ・セールスで答える4つの問いと策定手順

GTM戦略の立て方|BtoBマーケ・セールスで答える4つの問いと策定手順

この記事のポイント

GTM戦略は、新しい商材をどのターゲット企業に、どんな価値で、どの場面で提案し、商談をどう数えて見直すかを決める、マーケティングと営業の共通の計画です。

GTM戦略は、英語のGo-to-Market Strategyの略で、新しい商材や事業を市場に投入するときの計画を指します。BtoBでは、どのターゲット企業に、どんな価値を、どの場面で提案し、商談の数をどう数えて見直すかを1つにまとめます。既存の商材を新しい業種に広げるときにも立てます。Webサイトの計測に使うGoogle タグマネージャーも同じ略称ですが、別のものです。

新しい商材を任され、上司から「GTM戦略をまとめて」と言われた。市場規模や競合の資料は集まったのに、マーケティングと営業で、アプローチするターゲット企業も、毎月報告する数字もそろわない。策定で手が止まるのは、調べることより、決めることの方が多いからです。

この記事では、答える4つの問いと記入例を示し、準備と4週間で「誰に・何を・どこで・どう数える」に1つずつ答える立て方を紹介します。見る指標(KPI)、マーケティングと営業での使い方、よくある失敗も扱います。意味やABMとの違いは「GTM戦略とABMの違い」、The Modelとの違いは「GTM戦略とThe Modelの違い」の記事でくわしく解説しています。

この記事でわかること
  • BtoBマーケティング・セールスでのGTM戦略の意味と、答える4つの問い
  • 4つの問いの項目と、架空の外観検査AIでの記入例
  • 最初の30日で計画を立てる5つのステップ
  • 見る指標と、毎月の定例での見直し方
  • GTM戦略の策定でよくある4つの失敗

目次

GTM戦略とは?BtoBマーケ・セールスで決めること

BtoBのGTM戦略とは、新しい商材や広げる市場の売り先となるターゲット企業と買う事業部、提案する価値、アプローチする場面、数える数字を決め、毎月見直す計画です。

この計画の説明では、市場調査と競合分析が最初に挙がることが多くあります。どちらも欠かせない材料です。ただ、BtoBではそれだけでは足りません。「どの会社の、どの事業部に提案するか」を名前で決めておかないと、マーケティングの施策と営業のアプローチが、別々の会社に向かいます。

もう1つの特徴は、作って終わりにしないことです。商談になった会社と、途中で止まった会社を毎月数え、翌月のターゲット企業や提案の言葉を直します。計画書を1回作るより、この見直しを続けられるかの方が、商談獲得の数を左右します。

なぜ今、GTM戦略を見直すのか

BtoBの買い手は、営業に会う前に製品のサイトや比較の記事を読み、候補を絞ってから連絡してきます。調べるときにAIを使う人も増えました。一方で、電話とメールはつながりにくくなり、資料請求のあと連絡がつかないまま止まるリードも出ています。以前の計画のまま施策を増やしても、商談の数は増えにくい状態です。「誰に」と「どこで」を決め直す理由はここにあります。

The Model・ABMとの関係

ABM(アカウントベースドマーケティング)やThe Modelも、一緒に語られることの多い言葉です。3つは、受け持つ範囲が違います。

言葉 受け持つ範囲 使う場面
GTM戦略 誰に・何を・どこで・どう数えるかを決める全体の計画 —
ABM ターゲット企業を名前で選び、会社ごとにアプローチを変える進め方 GTM戦略の「誰に」と「どこで」を、会社の単位で決めるときに使う
The Model マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスに部署を分け、段階ごとに引き継ぐやり方 決めた計画を、部署で分担して進めるときに使う

GTM戦略で答える4つの問いと記入例は?

誰に・何を・どこで・どう数えるの4つの問いに答えます。 4つめの答えを毎月の定例で確かめ、1つめの「誰に」に戻って直します。

工場向けに外観検査AIを売り出す架空の会社で、4つの問いに答えると次のようになります。

問い 決めること 記入例(外観検査AIを売る架空の会社)
誰に ターゲット企業の条件と、買う事業部。手間のかけ方で分けたA・B・Cの3段 工場を持つ産業機械の会社。買う事業部は品質保証部と製造部。A 20社・B 80社・C 200社(見本・架空)
何を 相手・困っていること・変わることと、まとめた価値の1文(価値提案)。ポジショニングと価格 「検査の人手が足りない工場でも、夜間も同じ品質で検査できる」
どこで 認知・興味・検討・商談獲得の場面(バイヤージャーニーの段階)ごとの施策と担当。営業への引き継ぎの合図 認知は業界紙の記事と展示会、興味は業種別の資料とセミナー、検討は事例と比較表、商談獲得は営業からの連絡
どう数える 数える段階、数える元のデータ、定例の日、見直すこと 段階ごとの社数と商談の数を、企業の一覧・MA・SFAから数える。定例は毎月第1火曜日

答えは、1枚の表にまとめます。この記事では、この表を「GTM戦略キャンバス」と呼びます。1枚にまとめるのは、マーケティングと営業が同じ表を見て話すためです。担当ごとに別の資料があると、ターゲット企業の数や価値の言葉が、少しずつずれていきます。

4つの問いの答えを、1枚のGTM戦略キャンバスにまとめるGTM戦略キャンバスは、4つの問いの答えをまとめた1枚の表。誰に(ターゲット企業と買う事業部、A・B・Cの3段)、何を(価値の1文とポジショニング・価格)、どこで(場面ごとの施策と担当、営業への引き継ぎの合図)、どう数える(段階ごとの社数と商談の数、定例の日)。4つの問いの答えを、1枚のGTM戦略キャンバスにまとめる誰にターゲット企業と買う事業部A・B・Cの3段何を価値の1文とポジショニング・価格どこで場面ごとの施策と担当営業への引き継ぎの合図どう数える段階ごとの社数と商談の数定例の日GTM戦略キャンバス
図1:GTM戦略は、誰に・何を・どこで・どう数えるの4つの問いの答えを1枚の表(GTM戦略キャンバス)にまとめ、マーケティングと営業が同じ表を見て話す

GTM戦略のフレームワークとしては、3C分析・STP・4Pもよく挙がります。3C分析は「誰に」と「何を」の材料集め、STPは「誰に」の絞り込み、4Pは「何を」と「どこで」の整理に当たります。

この記事の問いは、こうした分析の結果を、マーケティングと営業が実行する計画に置き換えるための枠です。

GTM戦略はどう立てる?最初の30日の5つのステップ

ステップ1の準備で材料をそろえ、ステップ2〜5で、1週目から4週目まで4つの問いに1つずつ答えます。 30日で1回答えを出し、5週目からは毎月の定例で直していきます。

準備のあと、4週間で4つの問いに1つずつ答える最初の数日は準備で、受注・失注と競合の材料をそろえる。1週目は誰にに答え、ターゲット企業を名前で決める。2週目は何をに答え、価値を相手の課題の言葉で書く。3週目はどこでに答え、場面ごとに施策と担当を決める。4週目はどう数えるに答え、社数の段階と定例の日を決める。準備のあと、4週間で4つの問いに1つずつ答える最初の数日準備受注・失注と競合の材料をそろえる1週目誰にターゲット企業を名前で決める2週目何を価値を相手の課題の言葉で書く3週目どこで場面ごとに施策と担当を決める4週目どう数える社数の段階と定例の日を決める
図2:最初の数日で受注・失注と競合の材料をそろえ、1週目に誰に、2週目に何を、3週目にどこで、4週目にどう数えるに答える。5週目からは毎月の定例で直す

ステップ1 準備:受注・失注と競合の材料をそろえる

最初の数日で、4つの問いに答える材料を集めます。SFA・CRMから、過去1年に受注した会社と失注した会社を並べ、業種・規模・事業部・最初の接点を書き出します。新しい商材でまだ受注が無ければ、近い商材の受注や、試験導入に協力してくれた会社で代えます。

あわせて、市場の大きさと競合の提案内容を、公開されている資料で確かめます。営業の担当者には、商談でよく聞く悩みを3つずつ挙げてもらいます。この悩みの言葉が、2週目に書く価値の1文の材料になります。

ステップ2 誰に:ターゲット企業を名前で決める

1週目は「誰に」に答えます。業種と規模で市場を絞ったら、会社の名前と、買う事業部の名前まで決めます。同じ会社でも、新しい商材を任された事業部ごとに、予算と判断が分かれるからです。業種と規模だけで決めると、自社の商材を買わない会社まで一覧に入ります。会社の条件は、ICP(理想顧客プロファイル)として書き出します。

名前を決めたターゲット企業は、1社にかける手間で3段に分けます。

段 アプローチの仕方 見本の社数(架空)
A 名指しで1社ずつ。営業と一緒に、事業部ごとの提案を用意する 20社
B 業種や課題ごとにまとめて、業種別の資料とセミナーで案内する 80社
C 企業単位の広告とメルマガで、広く知ってもらう 200社

買う事業部の中では、決める人・使う人・調べる人を分けて書きます。外観検査AIなら、決める人は工場長、使う人は品質保証の課長と検査の担当者、調べる人は生産技術の担当者(見本・架空)といった形です。人ごとの関心や悩みを書いたものがペルソナで、2週目の価値の1文と、3週目の施策の材料になります。

ステップ3 何を:価値を相手の課題の言葉で書く

2週目は「何を」に答えます。機能の一覧から書き始めると、「カメラ12台まで対応」「クラウドで結果を集計」(架空)のように、相手が自分の課題に結びつけにくい言葉が並びます。価値の1文は、相手・困っていること・変わることの3つで組み立てます。

外観検査AIの例なら、相手は「検査の人手が足りない工場」、困っていることは「夜間の検査で、見落としが出る」、変わることは「夜間も、昼と同じ品質で検査できる」です。3つをつなげると、「検査の人手が足りない工場でも、夜間も同じ品質で検査できる」という1文になります。1文の下には、試験導入での見落としの件数のような根拠を1行添えます。

競合と比べた位置づけ(ポジショニング)と価格の考え方も、この週に決めます。比べる相手は、競合の製品だけではありません。目視の検査を続ける、検査の人を増やすといった、相手がいま選んでいるやり方も比べる相手に入れます。価格は、試験導入の価格、本導入の価格、相手の事業部が稟議を通しやすい金額の上限の3つを1行ずつ書きます。

ステップ4 どこで:場面ごとに施策と担当を決める

3週目は「どこで」に答えます。相手がいる場所と、提供するものは、場面ごとに違います。施策を認知・興味・検討・商談獲得の4つの場面に分け、場面ごとに担当を決めます。

場面 相手がいる場所 提供するもの 主な担当
認知 検索・SNS・展示会 広告・記事・展示会のブース マーケティング
興味 自社のサイト・セミナー 業種別の資料・セミナー マーケティング
検討 社内の会議・製品の比較 事例・比較表・見積もり マーケティング・インサイドセールス
商談獲得 営業との面談 事業部ごとの提案 営業

商談獲得のあとの稟議や試験導入は、営業の計画で進めます。GTM戦略では、受注の数と単価で結果を確かめます。

販売の形も、この週に決めます。価格帯と導入の手間で選ぶのが目安です。

販売の形 向いている商材 主な担当
オンラインで申し込む(セルフサービス) 価格が低く、導入の説明がほとんど要らない マーケティング
インサイドセールス 中くらいの価格で、説明と比較の手伝いが要る インサイドセールス
フィールドセールス 価格が高く、事業部ごとの提案と稟議の支援が要る 営業
代理店・パートナー企業 相手の業界にすでに販売網がある パートナー企業と営業

場面ごとの施策には、月の予算と担当の人数も割り当てます。人数が足りない場面は、施策の数を減らします。あわせて、営業への引き継ぎの合図(資料請求・セミナーへの参加など)を、マーケティングと営業で先に決めておきます。合図が決まっていないと、合図があった会社への営業の連絡が遅れます。

ステップ5 どう数える:社数の段階と定例の日

4週目は「どう数える」に答えます。ターゲット企業がいまどの段階にいるかを、会社の単位で数えます。段階は「未アプローチ・サイト訪問・新規リード・掘り起こし・商談」の5つに分けるのが一例です。掘り起こしは、以前に名刺交換や資料請求で接点があった会社に、新しい動きが出た段階です。

掘り起こしは、新規リードとは別の入口から商談に近づく段階なので、新規リードの次に進むとは限りません。段階は会社がいまいる状態で、施策の区切りである「場面」とは別に数えます。

目標は、商談の数から逆算して段階ごとの社数に置きます。半年で商談24件(見本・架空)を目指すなら月4件です。過去の数字で、新規リードの段階にいる会社の4社に1社が商談になっているなら、新規リードの段階に月16社を目標にします。

商談の数の目標を、段階の社数と企業の商談化率に分ける商談の数の目標(半年で24件なら月4件。見本・架空)は、新規リードや掘り起こしの段階にいる会社の数と、そのうち商談に進んだ会社の割合(企業の商談化率)の掛け算に分けられる。4社に1社が商談になっているなら、新規リードの段階に月16社を目標にする。商談の数の目標を、段階の社数と企業の商談化率に分ける商談の数月4件(見本・架空)段階にいる社数新規リードや掘り起こしの段階にいる会社の数新規リード(目標 月16社・見本)掘り起こし企業の商談化率そのうち商談に進んだ会社の割合例:4社に1社(見本・架空)×
図3:商談の数の目標は、新規リードや掘り起こしの段階にいる社数と、そのうち商談に進む割合(企業の商談化率)に分けて逆算する。数字は見本・架空

数える元のデータ(企業の一覧・MA・SFA)と、毎月の定例の日を決めたら、最初の30日は終わりです。定例の日は、月初の数字がそろう日にします。

GTM戦略の成果はどう数える?見る指標(KPI)と社数

BtoBでは、リードの件数に加えて、ターゲット企業の段階ごとの社数と、商談の数を毎月数えます。

リード(見込み顧客の担当者)は人の単位で数えます。同じ会社の3人が資料をダウンロードすれば、リードは3件です。件数が増えても、ターゲット企業300社のうち何社にアプローチできていて、何社が手つかずなのかは分かりません。そこで、会社の単位の数字を並べて見ます。

指標 数える単位 分かること
段階ごとの社数 ターゲット企業 未アプローチの会社がどれだけ残っているか。どの段階で止まっている会社が多いか
商談の数 商談 計画の結果。日程の確定と商談の実施のどちらで数えるかを先に決める
リードからの商談化率 担当者リード どの場面の施策から商談が生まれたか。母数と期間をそろえて比べる
企業の商談化率 ターゲット企業 新規リードや掘り起こしの段階の会社のうち、何社が商談に進んだか
受注の数と受注単価 取引 選んだターゲット企業と価値の1文が、合っているか
CAC(顧客獲得費用)とLTV(顧客生涯価値) 取引・顧客 投資を続けてよいか。受注がある程度そろってから見る

ターゲット企業300社の見本では、未アプローチ198社・サイト訪問22社・新規リード15社・掘り起こし57社・商談8社という数え方になります(見本・架空)。未アプローチが198社残っていれば、「どこで」の認知の施策を見直す手がかりになります。掘り起こしの57社に対しては、営業から連絡するかどうかを定例で決めます。

たとえば定例で、C段の未アプローチの会社に業界紙の記事しか案内していなかったと分かれば、翌月は業種別のセミナーの案内を加え、その翌月の定例で、サイト訪問の段階に進んだ社数を比べます(見本・架空)。

手元のデータでは数えられない3か所

段階ごとの社数を数え始めると、手元のデータだけでは数えられない場所が3つ出てきます。

1つめは、名乗る前の会社です。サイトの外で調べている間や、サイトに来ても名前を入力していない間は、どの会社かが分かりません。2つめは、社内で比べている間です。担当が替わったり、別の人が見に来たりしても、その動きはデータに残りません。

3つめは、営業に引き継いだあとです。商談・継続・保留・見送りの結果がマーケティングに戻らず、「どこで」の施策のどれが効いたのかを確かめられません。

3つめは、SFAに結果を選択肢で書く欄を作れば、自社で埋められます。1つめと2つめは、企業単位のアクセスや、サイトの外で調べているテーマのデータを組み合わせて補います。ただし、閲覧や検索のデータは検討の手がかりであって、購入の予定を示すものではありません。

GTM戦略はどう使う?マーケティングとセールスでの使い方

マーケティングは価値の1文と場面ごとの施策に、セールスはA段の企業への提案と結果の返し方に、両者は毎月の定例に使います。

マーケティング:価値の1文を見出しにそろえる

2週目に書いた価値の1文を、記事・広告・業種別の資料の見出しで、同じ言葉のまま使います。施策ごとに言い方を変えると、相手が同じ商材の話だと気づきにくくなります。営業の提案資料の1ページ目も、同じ1文で始めます。

マーケティング:B段・C段の企業に施策を実施する

B段の企業には業種別の資料とセミナーを、C段の企業には企業単位の広告とメルマガを案内します。どちらも、場面ごとの施策が段階ごとの社数をどう動かしたかを、翌月の定例で確かめます。

セールス:A段の企業に、事業部ごとの提案を用意する

A段の20社は、マーケティングの施策を待たずに、営業が事業部ごとの提案を用意します。サイト訪問や資料請求があった会社には、決めておいた引き継ぎの合図に沿って、営業から連絡します。

セールス:引き継いだあとの結果を、選択肢で返す

引き継いだ会社が商談になったかどうかを、「商談・継続・保留・見送り」から選んでSFAに書きます。結果がマーケティングに戻れば、どの場面の施策から商談が生まれたかを、施策ごとに比べられます。

毎月の定例:数えて、翌月の「誰に・何を・どこで」を直す

毎月の定例では、段階ごとの社数と商談の数を数え、段階が進んだ会社と止まった会社を確かめます。そのうえで、翌月の「誰に・何を・どこで」を直し、施策を実施します。4つめの問いの答えが、次の月の1つめの問いに戻る形です。

毎月の定例で数え、翌月の計画を直すGTM戦略の毎月の運用は4つの手順をくり返す。1 数える(段階ごとの社数と商談の数)、2 確かめる(段階が進んだ会社と止まった会社)、3 直す(翌月の誰に・何を・どこで)、4 実施する(場面ごとの施策と営業のアプローチ)。中心は毎月の定例。毎月の定例で数え、翌月の計画を直す1数える段階ごとの社数と商談の数を数える2確かめる段階が進んだ会社と止まった会社を確かめる3直す翌月の「誰に・何を・どこで」を直す4実施する場面ごとの施策と営業のアプローチを実施する毎月の定例
図4:GTM戦略は、毎月の定例で数える・確かめる・直す・実施するをくり返し、4つめの問いの答えを翌月の1つめの問いに戻す

GTM戦略の策定で、よくある4つの失敗は?

よくある失敗は、「誰に」を業種と規模で止める、価値を機能の一覧で書く、リードの件数だけで報告する、作ったまま見直さない、の4つです。

失敗1:「誰に」を業種と規模で止める

「製造業・従業員1,000人以上」で止めると、ターゲット企業の数が多すぎて、営業はどこから連絡すればよいかを決められません。会社と事業部の名前まで決め、A・B・Cの3段に分けます。

失敗2:価値を機能の一覧で書く

機能の一覧は、営業の資料とマーケティングの記事で、それぞれ別の言葉に言い換えられていきます。相手・困っていること・変わることの3つで1文にし、全員が同じ言葉で話します。

失敗3:リードの件数だけで報告する

リードの件数が目標を超えても、同じ会社の担当者ばかりなら、アプローチできたターゲット企業は増えていません。経営への報告では、担当者の件数と企業の数を分けて書き、段階ごとの社数と商談の数を並べます。

失敗4:作ったまま見直さない

計画を作った時点では、「誰に」も「何を」も仮の答えです。定例の日が決まっていないと、仮の答えのまま半年が過ぎます。最初の30日の最後に、毎月の定例の日を予定表に入れてしまいます。

GTM戦略のよくある質問

GTM戦略は何の略ですか?
Go-to-Market Strategyの略で、市場投入戦略や市場進出戦略と訳します。Google タグマネージャーとは別のものです。
GTM戦略とマーケティング戦略の違いは何ですか?
マーケティング戦略は、既存の商材も含めて中長期で売上をつくる計画全体です。GTM戦略はその中で、特定の商材と市場に絞り、営業と数え方まで決める計画です。
GTM戦略とThe Modelの違いは何ですか?
The Modelは、マーケティングから営業までを部署に分けて進めるやり方です。GTM戦略は、その前に誰に・何を提案するかを決める全体の計画です。
GTM戦略は誰が作りますか?
新しい商材や事業の責任者が、マーケティングと営業の担当者と一緒に作ります。毎月の見直しも、同じ人たちで受け持ちます。
策定には、どのくらいの期間がかかりますか?
4つの問いに1回答えるだけなら、30日が目安です。答えは仮のものなので、5週目からは毎月の定例で直します。
GTM戦略のフレームワークには何がありますか?
3C分析・STP・4Pがよく使われます。この記事の問いは、その結果を、マーケティングと営業が実行する計画にまとめる枠です。

GTM戦略と一緒に知っておきたい用語

ICPでターゲット企業の条件を決め、ABMで会社ごとのアプローチを設計し、データで段階ごとの社数を数えます。

まとめ:GTM戦略は、4つの問いに答えて毎月直す計画

  1. 意味:新しい商材のターゲット企業と買う事業部、提案する価値、アプローチする場面、数える数字を決め、毎月見直す計画です。
  2. 4つの問い:誰に・何を・どこで・どう数えるに答え、1枚のキャンバスにまとめます。
  3. 立て方:準備で材料をそろえ、1週目から4週目まで、問いに1つずつ答えます。
  4. 数え方:リードの件数に加えて、ターゲット企業の段階ごとの社数と商談の数を、毎月の定例で数えます。

今日できることは、過去1年に受注した会社を5社書き出し、買ったのはどの事業部か、最初の接点は何だったかを1行ずつ書くことです。5社に共通する事業部と接点が、「誰に」と「どこで」の最初の候補になります。

ウルテク(URUTEQ)は、ABM(アカウントベースドマーケティング)の考え方で、ターゲット企業からの商談獲得を仕組み化するBtoBマーケティング・営業支援サービスです。

4つの問いのうち「どう数える」を、ウルテクで保有するデータと貴社のマーケティング・営業結果を組み合わせて受け持ちます。ターゲット企業ごとの段階と商談の数を毎月の定例で確かめ、翌月の施策に反映するところまで、ウルテクチームが並走します。

問いごとの記入例と、GTM戦略キャンバスのExcelのシート、最初の30日の進め方は、「GTM戦略ガイド」にまとめています。

著者紹介
井上翔太
ウルテク| URUTEQ 事業責任者
新卒で証券会社に入社し、BtoCのセールスを経験。その後、PR代理店にてBtoB・BtoC企業向けのデジタルマーケティングコンサルティングや新規営業を担当。ログリー株式会社入社後は、BtoBマーケティング向けSaaSの開発やマーケティング、セールスなどを行う。現在は、これまでの経験を活かし、BtoBマーケAIエージェント「アカウントインテリジェンスツール ウルテク」の事業責任者を務めている。

Category list

ウルテクについて、もっと詳しく知りたい方へ