BtoBマーケティング
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営業報告書は、日々の活動を残すだけでなく、月末に「どのきっかけの接点が商談につながったか」を数えられる形で書くと、翌月の施策を決める手がかりになります。
月末の夕方、営業マネージャーが、メンバーの日報をExcelに貼り合わせています。訪問の数は数えられます。ところが、部長から「今月の商談は、どの施策から来たのか」と聞かれると、手が止まります。日報には「A社訪問、好感触」とだけあり、その会社が展示会から来たのか、資料請求から来たのかが書かれていないからです。
あなたのチームの日報も、丁寧に書かれていても、項目が決まっていなければ、月末の集計に使えません。逆に、項目を少し足すだけで、同じ日報から月次の報告が作れるようになります。
目次
営業報告書とは、営業の活動と結果を、上司やチームに伝える書類です。毎日書くものを営業日報、1週間ごとにまとめるものを週報、1か月ごとにまとめるものを月報と呼び、この3つをまとめて営業報告書と呼ぶこともあります。
3つは、書く人が同じでも、読む人と使い道が違います。あなたのチームで、月報を誰が読み、何を決めているかを思い浮かべながら見てください。
| 種類 | 主に読む人 | 使い道 |
|---|---|---|
| 日報 | 直属の上司 | その日の訪問・商談の内容と、次の行動を伝える |
| 週報 | 営業マネージャー | 案件の進み具合を見直し、翌週の動きを決める |
| 月報 | 部長・マーケティング | 商談と受注の数を数え、翌月の施策と重点の会社を決める |
日報は記録、月報は判断に使うもの、と考えると分かりやすくなります。月報を手早く作れるかどうかは、日報の段階で何を書いておくかで決まります。

図1:日報で接点のきっかけと段階を残しておくと、週報で進み具合を見直し、月報で翌月の施策を決めるときに使える
営業報告書を書く目的は、担当者の振り返り、上司の判断、翌月の施策の見直しの3つです。
担当者にとっては、自分の活動を言葉にすることで、うまくいった商談と止まった商談の違いに気づく機会になります。上司にとっては、案件ごとの進み具合が分かり、同行や助言が要る案件を早めに選べます。
3つ目は見落とされがちです。マーケティングが展示会やセミナー、資料ダウンロードで接点を作っても、その会社がその後どうなったかは、営業の報告にしか書かれていません。営業報告書に「その会社との接点のきっかけ」と「商談に進んだか」が残っていれば、マーケティングは、どの施策が商談につながったかを確かめられます。
基本の項目は、基本情報、目的、内容と相手の反応、結果と理由、次の行動の5つです。月次の報告に使うなら、ここに「接点のきっかけ」と「段階」の2つを足します。
| 項目 | 書く中身 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 基本情報 | 日付・会社名・相手の部署と役職・自社の担当 | 会社名は正式名称で書き、部署まで残す |
| 目的 | その接点で何をしたかったか | 初回の課題の聞き取り、見積の説明 など |
| 内容と相手の反応 | 話した内容と、相手が気にしていたこと | 「導入時期は来期の予算次第」と相手の言葉で書く |
| 結果と理由 | 進んだか止まったかと、その理由 | 「比較の資料を求められた。他社と並べて検討中のため」 |
| 次の行動 | 次に誰が何をいつまでにするか | 「来週金曜までに導入事例を送る」 |
| 接点のきっかけ | その会社と最初に接点ができた施策 | 展示会・資料請求・セミナー・紹介・営業からの連絡 から選ぶ |
| 段階 | いまどこまで進んだか | 接点あり・課題を聞いた・商談・提案・受注・見送り から選ぶ |
最後の2つは、自由に書かせず、決まった選択肢から選ぶ形にします。人によって「展示会」「EXPO」「イベント」と書き方がばらつくと、月末に数えられなくなるからです。
段階の名前は、部署で使っている営業パイプラインの段階とそろえます。段階の決め方は、営業パイプライン管理とは?の記事で整理しています。
事実と考えを分け、相手の言葉と次の行動を具体的に書きます。
5つのうち、あなたのチームでまず見直してほしいのは3つ目です。うまくいった商談の報告は詳しく書かれやすく、止まった商談の報告は短くなりがちです。止まった理由が残っていないと、月末に「なぜ商談が減ったのか」を説明できません。
日報は接点ごとに、月次の報告は数字と理由と翌月の計画の順に書きます。下の形をコピーして、自社の項目に合わせて直してください。
日付: 会社名・部署・相手の役職: 接点のきっかけ(展示会/資料請求/セミナー/紹介/営業からの連絡): 目的: 内容と相手の反応(相手の言葉で): 結果と理由: 段階(接点あり/課題を聞いた/商談/提案/受注/見送り): 次の行動(誰が・何を・いつまでに):
1. 今月の数字:新しく接点ができた会社の数、商談に進んだ会社の数、受注・見送りの数 2. 接点のきっかけ別の商談の数:展示会・資料請求・セミナー・紹介・営業からの連絡 3. 先月から進んだ会社と、止まった会社:主な会社と、止まった理由 4. 見送りの理由の内訳:予算・時期・他社に決定・課題が合わない 5. 翌月の計画:重点の会社、マーケティングに頼みたい施策、営業の動き
月次の報告は、1枚目に数字、2枚目に理由、3枚目に翌月の計画、と分けるとPowerPointにも移しやすくなります。2番の「きっかけ別の商談の数」があると、マーケティングと営業が同じ数字を見て、翌月の施策を話せます。
営業管理表は、会社ごとに1行を作り、最後の接点の日・きっかけ・段階・次の行動を列にします。日報をそのまま貼るのではなく、日報の中身を会社の行に写していく形です。
列の例は次のとおりです。
| 列 | 入れ方 |
|---|---|
| 会社名・部署 | 正式名称で入れる。同じ会社は1行にまとめる |
| 自社の担当 | 担当者の名前を選択肢から選ぶ |
| 接点のきっかけ | 選択肢から選ぶ(日報と同じ選択肢) |
| 最初の接点の日・最後の接点の日 | 日付で入れる。最後の接点の日から経った日数を別の列で計算する |
| 段階 | 選択肢から選ぶ(日報と同じ選択肢) |
| 次の行動と期限 | 文字で入れ、期限は日付の列に入れる |
| 見送りの理由 | 選択肢から選ぶ |
作るときは、次の順で進めると、あとから集計しやすくなります。
1. 1行目に列の名前を入れ、表の範囲を選んで「挿入」から「テーブル」にする。テーブルに足した行は、ピボットテーブルを更新すると集計に含まれる 2. きっかけ・段階・見送りの理由の列に「データの入力規則」でリストを設定し、選択肢から選ぶ形にする 3. 月末に「ピボットテーブル」で、きっかけを行、段階を列にして、会社の数を数える 4. 最後の接点から日が経っている会社に、条件付き書式で色を付ける
テーブル・入力規則・ピボットテーブルの操作は、2026年10月時点のMicrosoftのサポートページ(ピボットテーブルを作成する・ドロップダウン リストを作成する)で確認した手順です。Excelの版によって、メニューの名前が少し違うことがあります。

図2:営業担当が接点ごとに段階と次の行動を入れ、マネージャーが毎週期限を見直し、月末にマーケティングと一緒にきっかけ別の商談の数を見る
図2のように、入れるのは営業担当、毎週の見直しは営業マネージャー、月末の集計の場にはマーケティングも加わる、と受け持ちを先に決めておくと、月末に表が埋まっていないことが減ります。
関数やマクロを凝りすぎると、作った人しか直せない表になります。列と選択肢を決めることを先にし、集計はピボットテーブルに任せるくらいがちょうどよいです。
商談に進んだ会社から逆にたどり、それぞれの会社の接点のきっかけを数えます。
月次の報告でよくあるのは、施策ごとの数字(展示会の名刺の数、資料ダウンロードの数)と、営業の数字(訪問の数、商談の数)が別々の表に並び、どの施策から来た会社が商談に進んだのかを、表から読み取れない形です。部長が知りたいのは、その2つの間です。
手順は4つです。
1. 今月、段階が「商談」に進んだ会社を、営業管理表から抜き出す 2. 抜き出した会社を、接点のきっかけ別に数え、施策ごとの名刺や資料ダウンロードの数と並べる 3. 商談につながらなかった施策について、見送りの理由と止まった段階を確かめる 4. 分かったことを、翌月の施策と重点の会社、営業の動きに戻す

図3:今月商談に進んだ会社を抜き出し、接点のきっかけ別に数え、止まった理由を確かめて、翌月の施策と営業の動きに戻す
この形にすると、「資料請求からの会社は商談まで進みやすいが、展示会からの会社は課題の聞き取りで止まっている」のように、施策と営業の対応を一緒に見直せます。商談からさかのぼる見方は、BtoBマーケティングの効果検証の記事でも詳しく紹介しています。
Excelで項目をそろえても、集めて写す手間、まだ問い合わせのない会社の関心が表に出ないこと、営業の結果がマーケティングに戻らないこと、の3つが残ります。
1つ目は、集めて写す手間です。日報を集め、営業管理表に写し、ピボットテーブルを更新し、PowerPointに貼る作業は、月末に毎回くり返します。担当者が増えるほど、写し間違いも増えます。
2つ目は、まだ問い合わせのない会社の関心が表に出ないことです。営業管理表に載るのは、営業が接点を持った会社だけです。資料を読んだあと、まだ連絡をくれていない会社が、どのテーマを調べているかは、表には出てきません。
3つ目は、営業の結果がマーケティングに戻らないことです。見送りの理由が営業の表の中にだけあると、マーケティングは翌月も同じ案内を、同じ会社に送ってしまいます。引き継ぎと結果の戻し方は、トスアップとは?の記事で整理しています。
減らし方は、問題ごとに違います。1つ目は、日報の入力をSFAやスプレッドシートのフォームにして、選択肢で入れるようにすると、写す作業が減ります。
2つ目は、会社ごとに、どのテーマに関心を持っているかの手がかりを、営業管理表の横に並べて見ることです。ウルテクのような、企業ごとの関心のテーマが分かるデータを使うと、まだ問い合わせのないターゲット企業についても、アプローチの順番と話題を決める手がかりになります。
3つ目は、見送りの理由を選択肢にして、月次の報告にマーケティングも出席する形にすることです。
多いのは、項目が多すぎる、自由記述ばかり、止まった商談が書かれない、月報が日報の寄せ集めになる、の4つです。

図4:日報を寄せ集める月次の報告では訪問と商談の数しか答えられない。きっかけと段階を選択肢で残すと、どの施策からの会社が商談に進んだかまで答えられる
どれも、書く人のせいではなく、報告書の形の問題です。項目と選択肢を決め直すと、同じ人が書いても、読める報告に変わります。
報告書の項目を決め直すと、マーケティングと営業が、同じ数字で翌月の施策を話せるようになります。どの行動を、MA・SFA・CRMのどれが記録しているかを確かめたいときは、「商談獲得までのBtoBツール役割マップ」で、ターゲット企業が商談に近づく行動と記録する道具の対応を1枚で見られます。
ウルテクについて、もっと詳しく知りたい方へ