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追客とは?BtoBで資料請求のあとに続ける手順と、接点の決め方

この記事のポイント

BtoBの追客とは、資料請求や名刺交換のあと、返事が止まった会社へ、関心の手がかりに合わせて接点を続けることです。

たとえば、資料を送った翌週に、営業が電話をかけるとします。担当者は会議中で、折り返しはありません。もう一度、同じ内容のメールを送ります。それでも返事はなく、「また連絡します」とメモに書いて、次の案件に移ります。1か月後に表を見直すと、その会社の欄は、最後の接点から動いていません。

止まるのは、営業が怠けたからではありません。相手が何を気にしているのか分からないまま、同じ案内をくり返すと、送る側も受ける側も続けにくくなります。

この記事では、BtoBの追客の意味、止まる理由、資料を送ったあとの接点の順番、メールと電話の例文を紹介します。そのうえで、ExcelやCRMで管理したあとに残る面倒と、減らし方も取り上げます。

この記事でわかること
  • BtoBの追客の意味と、不動産などの追客との違い
  • 資料を送ったあとに、追客が止まる3つの理由
  • 資料送付のあとに置く接点の順番と、そのまま使えるメール・電話の例文
  • 関心の手がかり(開いた・再訪・調べているテーマ)で、次の接点を変える方法
  • 追客をやめる基準と、Excelで管理したあとに残る面倒

追客とは?BtoBでの意味と、不動産などの追客との違い

追客とは、資料請求や名刺交換のあと、返事が止まった見込み客に、接点を続けて、商談につなげる営業活動です。「ついきゃく」と読みます。不動産や住宅の営業でも使われる言葉で、問い合わせのあった個人に、内覧や来店を促して連絡を続ける意味で使われてきました。

BtoBでは、相手が個人ではなく、会社です。検討には複数の人が関わり、予算や時期は社内の事情で決まります。連絡がつかない理由も、「興味がない」とは限らず、「いま社内で話が進んでいない」だけのことがあります。

そのため、BtoBでは、電話の回数を増やすより、会社の事情が動いたときに、そこへ合う接点を置くことが大切になります。商談に進める判断の物差しは、MQLとは?の記事で整理しています。

BtoBの追客は、なぜ止まる?3つの理由

止まる理由の多くは、読んだかどうか分からないこと、次の接点の中身が決まっていないこと、結果が残らないことの3つです。

  • 資料を読んだかどうかが分からない。送りっぱなしのメールだと、開いたのか、社内に回したのかが見えず、電話をかける理由を作れない
  • 次の接点の中身が決まっていない。送る資料も話す内容も、毎回その場で考えるので、忙しい週は後回しになる
  • 接点の結果が残らない。誰がいつ何を送り、相手がどう反応したかが担当の頭の中にしかなく、担当が変わると最初からやり直しになる

3つのうち、いちばん手を付けやすいのは2つ目です。接点の順番と中身を先に決めておけば、忙しい週でも、決まった形で動けます。

資料を送ったあとの、追客の進め方は?

資料を送った日を起点にして、当日のお礼、数日後の補足、1〜2週間後の確認、1か月後の別の切り口、の順に接点を置きます。日数は目安です。商材の検討期間に合わせて、伸ばしたり縮めたりしてください。

時点手段中身
送付当日メールお礼と、資料のうち最初に読んでほしい1か所
3営業日後メール資料の内容を補う事例や図を1つ。売り込みの言葉は入れない
1〜2週間後電話またはメール資料が役に立ったかを尋ね、いま困っていることを1つ聞く
1か月後メール別の切り口の資料。最初の資料とは違う悩みに答えるもの
2か月後以降メルマガなど個別の連絡はやめ、定期的な情報だけ届く形にする

表の「中身」の列は、相手に新しいことを1つ渡す、という決まりで書いています。「その後いかがですか」だけの連絡は、相手が返事に困り、読まれたまま止まります。

追客で会社が絞られる4つの段階の図。資料を送った会社、資料を読んだ会社、話ができた会社、商談に進む会社の順に、会社の数が絞られる。
図1:資料を送った会社は、接点を重ねるほど、反応のある会社に絞られる

追客のタイミングは、関心の手がかりでどう変える?

日数だけで決めず、相手の動きから分かる手がかりで、次の接点を変えます。手がかりは、大きく4つあります。

  • 開封と閲覧:送ったメールを開いたか、資料のどのページまで読まれたか
  • 再訪:自社のサイトに、もう一度来たか。料金や事例のページを見たか
  • 調べているテーマ:自社のサイトの外で、どんなテーマを調べているか
  • 社内の動き:同じ会社の別の人が、問い合わせや資料請求をしたか

手がかりが重なるほど、検討が進んでいる可能性が高くなります。ただし、手がかりは検討の入口であり、購入の予定を示すものではありません。電話の最初の質問は、現状を尋ねるものにして、「サイトを見ましたね」とは言わないようにします。

次の接点を中心に、4つの手がかりが囲む図。開封と閲覧、再訪、調べているテーマ、社内の動き。
図2:次の接点は、4つの手がかりから選ぶ。手がかりは検討の入口であり、購入の予定ではない

ウルテクでは、計測タグを入れた自社サイトの来訪企業と、その会社が外で調べているテーマを、会社ごとに見られます。ログリーが保有する国内オンラインデータネットワークの独自のIDデータをもとに、BtoBに関連するデータだけを使っています。営業は、「この会社は、最近どのテーマを調べているか」を知ったうえで、電話や資料を選べます。

手がかりに合わせて、送る資料と最初の一言をどう変える?

変えるのは、送る資料と、最初の一言です。手がかりが違えば、相手が気にしていることも違います。

たとえば、資料を送った会社が、料金のページを見たとします。この会社には、比較の観点をまとめた資料と、導入までの流れを送ります。反対に、事例のページを見た会社には、同じ業種や規模に近い公開事例を送ります。料金を気にする会社に事例を送っても、答えたいことに届きません。

追客の中身を比べた図。どの会社にも同じ案内では、資料も一言も毎回同じで、読まれないまま終わり、結果が残らない。手がかりに合わせた案内では、料金を見た会社には比較の観点、事例を見た会社には近い事例を送り、最初の一言も変え、結果を会社の同じ欄に残す。
図3:どの会社にも同じ案内を送る形から、手がかりに合わせて資料と一言を変える形に変える

最初の一言も、手がかりに合わせます。

  • 料金のページを見た会社:「費用の考え方で、気になる点はありませんか」
  • 事例のページを見た会社:「近い規模の会社の進め方を、お伝えしましょうか」
  • 何も見ていない会社:「資料の中で、役に立ちそうな箇所はありましたか」

追客メールと電話の例文は?

メールは、新しいことを1つ渡し、返事の選択肢を狭くします。電話は、相手の状況を1つ聞いて、終わります。下の例文は、写して使える形にしています。社名や資料名は、自社のものに置き換えてください。

3営業日後のメール

「先日お送りした資料について、補足です。資料の3ページ目の流れを、図1枚にまとめました。ご社内で共有される際にお使いください。ご不明な点があれば、このメールへの返信でお尋ねください。」

1〜2週間後の電話

「サンプル商事の山田です。先日の資料はご覧いただけましたか。(読んでいれば)どの部分が気になりましたか。(読んでいなければ)お時間のあるときに目を通していただければ十分です。いま、資料で扱ったテーマで困っていることが1つあれば、教えてください。」

電話では、相手の答えを、そのまま記録します。「検討中」ではなく、「来期の予算の話が出るまで待つ」と、相手の言葉で書いておくと、次に連絡するときの理由になります。

追客をやめる基準は?

やめる基準は、先に決めておきます。決めないと、返事のない会社に、いつまでも個別の連絡を続けることになります。目安は、次の3つです。

  • 表の4回の接点(送付当日から1か月後まで)を送っても、開封も返信もなく、自社サイトにも来ていない
  • 相手が、検討していない、または時期が先と伝えてきた
  • 配信の停止を求められた。この場合は、個別の連絡をやめ、停止の希望を守る決まりにする。広告や宣伝を含むメールの送り方には、特定電子メール法があります(総務省の解説)。個別の事情は、法務に確認してください

やめることは、あきらめることではありません。個別の連絡をやめた会社は、メルマガなど定期の情報に回し、再び自社サイトを訪れたときに、接点を持ち直します。休眠した見込み客を呼び戻す手順は、休眠リード掘り起こしの記事で紹介しています。

ExcelやCRMで追客を管理したあとに残る面倒は?

接点の記録の項目をそろえて、会社ごとに置くところまでは、ExcelやCRMの入力欄で足ります。残るのは、関心の手がかりを集める手間、接点のあとの記録、結果を施策に戻す作業の3つです。

残る面倒1:手がかりを、営業が1社ずつ探して集める

手がかりが、メール配信、MA、SFA、アクセス解析など複数のツールに分かれていると、連絡の前に、営業が複数の画面を見比べることになり、忙しい週は省かれます。

残る面倒2:接点のあとに、記録が更新されない

電話のあと、次の予定が入ると、記録は後回しになります。書かれない記録は、次の担当が読めません。

残る面倒3:接点の結果が、施策の見直しに戻らない

どの施策で出会った会社が、接点を続けたあとに商談へ進んだのかが営業の表に留まると、マーケティングは、施策の見直しを感覚で進めることになります。

追客の手間を減らす方法は?

手がかりを集める手間と、結果を戻す作業を、決まった形にします。

  • 手がかりを、開封、再訪、調べているテーマ、社内の別の人の動きの4つに絞り、会社ごとに1か所に集める
  • 電話のあとに書く欄は、相手の言葉と次の約束の2つに絞る
  • 結果は、商談に進む・継続して接点を持つ・休眠・見送りの選択肢で、会社の同じ欄に書く
  • 毎月の定例で、施策ごとに、接点を続けたあとに商談へ進んだ会社の数を並べる

図の「強い」は、開封・再訪・調べているテーマのうち2つ以上が重なった状態、「弱い」は1つ以下の状態です。「浅い」は最後の接点から1週間以内、「空いた」は2週間以上です。日数は目安なので、検討期間に合わせて変えてください。

手がかりの強さと、最後の接点からの日数の2軸で、次の接点を4つに分けた図。強くて浅いときは早めに電話、強くて空いたときは別の切り口を送る、弱くて浅いときは補足を送る、弱くて空いたときは定期の情報に回す。
図4:手がかりの強さと日数の2軸で、次の接点を選ぶ

追客を続けるときの、よくある失敗は?

失敗の多くは、同じ案内のくり返し、手がかりの決めつけ、やめる基準の欠如のどれかです。

失敗1:どの会社にも、同じ案内を送る

業種も関心も違う会社に同じ文面を送ると、読まれずに終わります。手がかりに合わせて、資料と一言を変えます。

失敗2:サイトを見たことを、買う意思と決めつける

再訪は、検討の手がかりであり、購入の約束ではありません。決めつけて売り込むと、相手は距離を置きます。

失敗3:返事のない会社に、個別の連絡を続ける

やめる基準が無いと、営業の時間が、反応のない会社に使われます。基準を決め、定期の情報に回します。

失敗4:結果を残さず、担当が替わる

誰が何を送り、相手がどう答えたかが残っていないと、担当が替わった日に、接点は最初からやり直しになります。

追客のよくある質問

追客は、いつまで続けるべきですか?
検討期間で変わります。目安は、4回の接点で反応がなければ個別の連絡をやめ、メルマガに回すことです。時期を伝えられたら、その時期に再開します。
電話とメールは、どちらを先にしますか?
資料を送った当日はメールで、お礼と読んでほしい1か所を伝えます。電話は、1〜2週間後に、相手の状況を1つ聞く目的で使います。
資料を読んだかどうかは、どう分かりますか?
開封や資料ページの閲覧が手がかりになります。開封の記録は実際と違うことがあるため、読んだと決めつけません。
追客メールは、何通まで送ってよいですか?
回数は自社で決めます。1通ごとに新しいことを1つ渡し、返信や配信停止の希望があれば、すぐに止めます。
不動産の追客と同じやり方で、BtoBもよいですか?
同じにはできません。BtoBは複数の人が関わり、検討が長くなります。電話の回数より、会社の事情が動いたときに合う接点を置きます。

追客と合わせて読みたい記事

この活動は、資料を配ったあとのフォローと、休眠した見込み客の呼び戻しと一緒に考えると、接点の順番がそろいます。

まとめ:関心の手がかりに合わせて接点を置き、結果を会社ごとに残す

  1. 意味:追客とは、資料請求や名刺交換のあと、返事が止まった見込み客に接点を続けて、商談につなげる営業活動です。BtoBでは、相手が会社で、検討に複数の人が関わります。
  2. 止まる理由:読んだかどうか分からないこと、次の接点の中身が決まっていないこと、結果が残らないことの3つです。
  3. 流れ:送付当日のお礼、3営業日後の補足、1〜2週間後の確認、1か月後の別の切り口、の順に置き、毎回、新しいことを1つ渡します。
  4. 手がかり:開封、再訪、調べているテーマ、社内の別の人の動きで、送る資料と最初の一言を変えます。
  5. 残る面倒:記録をそろえるところはExcelで足ります。残るのは、手がかりを集める手間、接点のあとの記録、結果を施策に戻す作業です。結果が戻ると、ターゲット企業からの商談獲得につながった施策を確かめられます。

今日できることは、直近で資料を送った5社を選び、それぞれの最後の接点と、相手の反応を書き出すことです。止まっている理由が、3つのどれかに分けられます。

ウルテク(URUTEQ)は、ABM(アカウントベースドマーケティング)の考え方で、ターゲット企業からの商談獲得を仕組み化するBtoBマーケティング・営業支援サービスです。マーケティング施策の結果、営業の対応、サイトの来訪と外での関心を、企業ごとに集め、接点の順番と中身を決めやすくします。

ツールを入れ替えずにできる4つの見直しの手順を、「商談獲得までのBtoBツール役割マップ」で整理しています。MA・SFA・CRM・GA4と企業データのどれが、商談に近づく情報を持っているかを、1枚で確かめられます。

著者紹介
井上翔太
ウルテク| URUTEQ 事業責任者 ---- 新卒で証券会社に入社し、BtoCのセールスを経験。その後、PR代理店にてBtoB・BtoC企業向けのデジタルマーケティングコンサルティングや新規営業を担当。ログリー株式会社入社後は、BtoBマーケティング向けSaaSの開発やマーケティング、セールスなどを行う。現在は、これまでの経験を活かし、BtoBマーケAIエージェント「アカウントインテリジェンスツール ウルテク」の事業責任者を務めている。

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