BtoBマーケティング
インサイドセールス
展示会のお礼メールは、名刺を会話の深さで3つに分類して文面を変え、送ったあとの反応で、営業が連絡する順番を決めるところまでが1つの仕事です。
展示会の最終日の夜、マーケティング担当の机に、名刺の束が300枚届きます。ブースに立った営業は、誰と何を話したかを覚えています。ところが、名刺の裏にメモがあるのは一部だけです。翌朝、全員に同じお礼メールを一斉に送り、そのあとは誰から連絡するかを決められないまま、1週間が過ぎていきます。
あなたのチームの展示会でも、似た流れになっていないでしょうか。お礼メールは、展示会で生まれた接点を、商談に進める最初の連絡です。送る前に名刺を少し分類し、送ったあとの反応を見るだけで、同じ300枚から、先に連絡する会社を選べるようになります。
目次
展示会のお礼メールとは、ブースに立ち寄った人や名刺を交換した人に、会期のあとで送る御礼の連絡です。
送る理由は3つあります。
1つ目は、自社を思い出してもらうことです。来場した人は、1日にいくつものブースを回ります。会期が終わるころには、どこで何を聞いたかが混ざっています。
2つ目は、次の接点を作ることです。ブースで話した内容に沿った資料や、個別の相談の日程を案内すれば、相手が次に動くきっかけになります。
3つ目は、相手の関心を知ることです。返信があったか、案内した資料を開いたかで、どの会社が検討を進めているかの手がかりが得られます。展示会のリードを、営業が連絡する順番に並べるための最初の手がかりになります。
会期の当日の夜か、翌営業日の午前に送ります。理由は、相手がブースでの会話を覚えているうちに届けるためです。会期のあとは、ほかの出展企業からも同じようなメールが届きます。遅れるほど、件名だけを見て読まれずに埋もれます。
当日か翌営業日に送るには、会期中に準備を済ませておきます。
複数日の展示会なら、最終日にまとめて送るより、その日に会った人へ、その日のうちに送るほうが、相手の記憶と結びつきます。

図1:会期の前に文面と資料のURLを決め、会期中に名刺へ分類とメモを書いておくと、会期の夜に一覧へ入れて、翌営業日にお礼メールを送れる。返信と予約には名刺を交換した人が答える
件名は、展示会の名前と自社の名前を入れ、短くします。本文は、御礼、ブースで話した内容、案内、次の提案、の順に組み立てます。
| 部分 | 書く中身 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 件名 | 展示会の名前・御礼・自社名 | 【〇〇展ご来場の御礼】株式会社〇〇の〇〇です |
| 宛名 | 会社名・部署・氏名 | 名刺の表記のまま。部署まで正式名称で書く |
| 御礼 | 来場と名刺交換への御礼 | 先日は〇〇展の弊社ブースにお立ち寄りいただき、ありがとうございました |
| ブースでの話 | 相手が話したこと・気にしていたこと | 「〇〇の手間を減らしたい」とお話しいただいた件 |
| 案内 | 話に合う資料・事例のURL | 添付ファイルではなく、ダウンロードのページのURL |
| 次の提案 | 個別の相談・デモの日程 | 予約のページのURL、または候補の日程 |
| 署名 | 会社名・部署・氏名・連絡先 | ブースで名刺を渡した人の名前で送る |
件名は、前のほうに展示会の名前を入れます。「御礼」だけの件名は、ほかの出展企業のメールと見分けがつきません。
ブースでの話の1文が、一斉送信との違いを作ります。会話のメモがある相手には、相手が使った言葉をそのまま書きます。メモがない相手には、ブースで展示していたテーマを書きます。あなたのブースで何を見てもらったかを、相手が思い出せる1文にします。
送る前に、案内する資料と予約のページのURLが開くかを、自分あてに1通送って確認します。
相手との会話の深さで、例文を使い分けます。あなたの会社の展示会の名前と、案内する資料に合わせて〇〇の部分を書き換えて使ってください。
名刺の交換だけだった相手への例文
件名:【〇〇展ご来場の御礼】株式会社〇〇の〇〇です
株式会社〇〇 〇〇部 〇〇様
先日は〇〇展の弊社ブースにお立ち寄りいただき、ありがとうございました。株式会社〇〇の〇〇です。
ブースでは、〇〇の手間を減らす方法をご紹介しておりました。会場で詳しくお話しできなかった方のために、展示の内容を資料にまとめております。
資料のダウンロード:〇〇(URL)
ご関心のあるテーマがございましたら、このメールにご返信ください。
ブースで話を聞いた相手への例文
件名:〇〇展でお話しした「〇〇」の件|株式会社〇〇の〇〇です
株式会社〇〇 〇〇部 〇〇様
先日は〇〇展の弊社ブースで、お時間をいただきありがとうございました。
「〇〇の作業に毎月時間がかかっている」とお話しいただいた件、同じお悩みをお持ちだった会社の事例をお送りします。
事例のダウンロード:〇〇(URL)
貴社の状況に合わせたご説明が必要でしたら、30分ほどお時間をいただけますと幸いです。ご都合のよい日時を、こちらからお選びください。
日程の予約:〇〇(URL)
個別の相談やデモを約束した相手への例文
件名:〇〇展での個別のご相談の日程について|株式会社〇〇の〇〇です
株式会社〇〇 〇〇部 〇〇様
先日は〇〇展で、具体的なご相談をいただきありがとうございました。
会場でお約束したとおり、〇〇のデモを貴社の状況に合わせてご用意いたします。事前に、いまお使いの〇〇と、ご担当の範囲を伺えますと、当日の説明を貴社向けに絞れます。
候補の日程:〇月〇日(〇)〇時から/〇月〇日(〇)〇時から
ご都合が合わない場合は、ご希望の日時をお知らせください。
セミナーや講演を聞いた相手への例文
件名:〇〇展の講演「〇〇」ご聴講の御礼|株式会社〇〇
株式会社〇〇 〇〇部 〇〇様
先日は〇〇展で、弊社の講演「〇〇」をお聞きいただき、ありがとうございました。
講演の資料を、ダウンロードのページにご用意しました。講演では時間の都合でお話しできなかった〇〇の手順も、資料に載せております。
講演資料のダウンロード:〇〇(URL)
貴社で同じ取り組みを進めるときのご相談も承ります。
名刺が誰にもフォローされずに残ってしまったときの対処は、展示会やウェビナーの名刺が、フォローされずに残っているときで紹介しています。
宛先を見せてしまう失敗は、取り返しがつきません。一斉に送るときは、メール配信の道具を使い、1通ずつ宛先が1人になる形で送ります。
お礼メールに資料や製品の案内を入れるなら、末尾に送信者の名前と、受信を断るときの連絡先を書きます。広告や宣伝を目的としたメールについては、特定電子メール法が、送信者の氏名や名称などの表示を求めています(総務省の解説)。受信を断る連絡があった相手には、それ以降は送りません。
名刺は、ブースでの会話の深さで3つに分類します。分類ごとに例文を選べば、1枚ずつ文面を書かなくても、相手に合った内容を送れます。
| 分類 | 会話の深さ | 送る例文 | 案内するもの |
|---|---|---|---|
| A | 個別の相談・デモを約束した | 個別の相談やデモを約束した相手への例文 | 候補の日程 |
| B | 課題や今の道具の話を聞いた | ブースで話を聞いた相手への例文 | 話に合う事例と、日程の予約のページ |
| C | 名刺の交換だけ・講演を聞いた | 名刺の交換だけだった相手、またはセミナーや講演を聞いた相手への例文 | 展示や講演の資料 |
分類は、会期中に名刺を受け取ったその場で、A・B・Cの1文字を書いておきます。あとから思い出して分類すると、時間がかかり、記憶もずれます。
もう1つ、ターゲット企業の一覧と照らし合わせます。会話の深さがCでも、ターゲット企業の一覧にある会社なら、営業と相談して、Bの文面で送ります。名刺の枚数ではなく、商談につなげたい会社から考えるためです。

図2:名刺をA・B・Cに分類すると、相手ごとに送る文面と案内するものが決まる。ターゲット企業の一覧にある会社は、Cでも営業と相談してBの文面で送る
送ったあとは、相手の反応の深さで、営業が連絡する順番を決めます。反応は、浅いものから順に、メールを開いた、案内した資料を開いた、サイトのほかのページも見た、返信や日程の予約があった、の4つです。
メールを開いたか、資料のリンクを押したかは、メール配信の道具やMAの記録で分かります。サイトのほかのページを見たかは、MAでメールのリンクから来た人の閲覧を記録しているときに分かります。
反応が深い会社ほど、いま検討を進めている手がかりになります。ただし、反応は検討の手がかりであって、購入の予定を示すものではありません。電話や面談では、資料を開いたことを口にせず、ブースでの話から入ります。電話をかけるときの順番と第一声は、展示会後のテレアポのコツで詳しく紹介しています。資料を送ったあとに続ける連絡の手順は、追客とは?にまとめています。

図3:お礼メールを送ったあとは、返信や予約、サイトのほかのページの閲覧など、反応が深い会社ほど先に連絡し、浅い会社には時期をあけて別の案内を送る
名刺をExcelに入れ、メール配信の道具で送れば、お礼メールは送れます。それでも、次の3つの面倒が残ります。
1つ目は、反応を書き写す手間です。メール配信の道具で開いた人は分かっても、それを名刺の一覧に戻すのは手作業です。書き写しが遅れると、反応が深い会社への連絡も遅れます。
2つ目は、反応のない会社の関心が見えないことです。メールを開かなかった会社でも、展示会のあとに、同じテーマを社外のサイトで調べていることがあります。お礼メールの反応だけで順番を決めると、そうした会社をあと回しにします。
3つ目は、営業の結果がマーケティングに戻らないことです。どの分類の名刺が商談に進んだかが分からないと、次の展示会で、ブースで何を聞き、どの資料を用意するかを直せません。
減らし方は、名刺の一覧に「分類」「反応」「営業の結果」の3つの列を足し、営業とマーケティングが同じ一覧を見ることです。
そのうえで、会社ごとに、どのテーマを調べているかが分かるデータがあれば、反応のない会社の中からも、先に案内する会社を選べます。ウルテクでは、ログリーが保有する国内オンラインデータネットワークの独自のIDデータ(サイトの外で調べているテーマ)と、お客様のマーケティング施策の結果・営業の対応を、企業ごとにまとめて分析しています。
お礼メールを送ったあと、どの会社から連絡するかを毎回決められるようになると、展示会で集めた名刺から、ターゲット企業との商談を早く作れるようになります。展示会の名刺のフォローを、ほかの会社がどう進めているかは、「ターゲット企業からの商談獲得の仕組み化 事例12選」で、事例ごとに、何が変わるかと貴社がすることを図で見られます。
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