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アノニマスリードとは?BtoBマーケ・セールスでの意味と商談につなげる5つの手順

この記事のポイント

アノニマスリードは、自社サイトを訪れているがまだ名乗っていない見込み客です。BtoBでは新規リードの件数に入れず、訪問した企業ごとに段階で数えます。

アノニマスリードとは、BtoBのマーケティングとセールスで、自社サイトを訪れているものの、まだ名乗っていない見込み客のことです。リードは見込み客、アノニマス(anonymous)は「匿名の」という意味で、匿名リードやアノニマスユーザーとも呼ばれます。同じ名前のハッカー集団とは関係ありません。氏名や連絡先は分からなくても、どの企業から訪れたかは、企業データと照らして分かることがあります。

サイトの訪問は毎月あるのに、資料請求や問い合わせはその一部にとどまる。残りの訪問者が誰で、何を探しに来たのかが分からないまま、フォームが送られてくるのを待っている。アノニマスリードを見る必要が出てくるのは、この場面です。

資料請求などで名乗った時点で、その人はアノニマスリードから外れます。それまでに分かるのは、閲覧したページと、訪れた企業までです。この記事では、新規リードとの数え分け、商談につなげる5つの手順、よくある失敗を、公開事例とあわせて紹介します。

この記事でわかること
  • BtoBマーケティング・セールスでのアノニマスリードの意味
  • 新規リード・コールドリードとの違いと、段階での数え分け
  • アノニマスリードから分かることと、分からないこと
  • アノニマスリードを商談につなげる5つの手順と、接点の有無で変える施策
  • よくある失敗と、公開事例

アノニマスリードとは?BtoBマーケ・セールスでの意味

BtoBでのアノニマスリードとは、自社サイトを訪れているものの、まだ名乗っていない見込み客です。訪れた企業までは分かることがあります。

この記事でいう「名乗る」は、資料請求やセミナーの申し込みのフォームで、氏名と連絡先が分かること(個人の特定)を指します。名乗った時点で、それまでその人が見ていたページも、その人の行動として見られるようになります。

一方、展示会で名刺を交換しても、名刺の人とサイトの訪問者が同じ人だと分かるまでは、訪問者のほうはアノニマスリードのままです。名乗るまでは、こちらからその人に直接連絡する手段はありません。

新規リード・コールドリードとの違い

アノニマスリードかどうかは、連絡先が分かっているかで分ける呼び名です。コールドリードかどうかは、関心の度合いと接点の新しさで分ける呼び名なので、2つは別の軸です。

呼び名分ける軸状態連絡できるか
アノニマスリード連絡先の有無サイトを訪れたが、名乗っていない本人には連絡できない
新規リード連絡先が分かった時期決めた基準日のあとに、初めて連絡先が分かった連絡できる
コールドリード関心の度合い連絡先は分かるが、関心が低いか、接点が途切れている連絡できる

段階で数えるときは、商談から順に当てはめる

リードの件数を数えるとき、アノニマスリードは新規リードに入れません。入れると、連絡できない人まで件数に入り、リードからの商談化率が実際より低く見えます。

ターゲット企業ごとの段階を、商談・新規リード・掘り起こし・サイト訪問・未アプローチの5つで見るときは、商談から順に当てはめ、最初に当てはまった段階に入れます。名刺や過去の商談など、基準日より前からの接点がある企業は「掘り起こし」、名乗った人も以前の接点も無く、訪問だけが分かっている企業が「サイト訪問」です。

企業の段階は、商談から順に当てはめるターゲット企業の5つの段階。未アプローチ(接点がまだ無い)、サイト訪問(名乗った人も以前の接点も無く、訪問だけが分かる)、掘り起こし(基準日より前の名刺や商談の接点がある)、新規リード(基準日のあとに初めて連絡先が分かった)、商談(日程が決まり面談をした)。商談から順に当てはめ、最初に当てはまった段階に入れる。アノニマスリードは新規リードの件数に入れない。企業の段階は、商談から順に当てはめる未アプローチターゲット企業のうち、接点がまだ無いサイト訪問名乗った人も以前の接点も無く、訪問だけが分かる掘り起こし基準日より前の名刺や商談の接点がある新規リード基準日のあとに、初めて連絡先が分かった商談日程が決まり、面談をした商談から順に当てはめ、最初に当てはまった段階に入れる
図1:ターゲット企業の段階は、商談・新規リード・掘り起こし・サイト訪問・未アプローチの順に当てはめる。訪問だけが分かる企業が「サイト訪問」

アノニマスリードがいる企業でも、名刺の接点があれば掘り起こし、今月だれかが名乗れば新規リードに入ります。段階は人の数で数えず、企業ごとにいちばん進んだ段階で数えるためです。

アノニマスリードから、何が分かる?

アノニマスリードからは、閲覧したページ・日時・回数、どこから来たか(検索・広告・メールなど)、訪れた企業の名前・業種・規模が分かることがあります。

アノニマスリードから分かること、分からないことアノニマスリードから分かること、分からないこと。閲覧したページ(どのページや資料をいつ何回見たか)、来た企業(企業データと照らすと企業名・業種・規模が分かることがある)、サイトの外での関心(インテントデータと組み合わせると調べているテーマが分かる)、分からないこと(氏名・連絡先と、本当に検討しているかどうか)。企業ごとの検討の手がかりにはなるが、買うと決めた合図ではない。アノニマスリードから分かること、分からないこと閲覧したページどのページを、いつ、何回見たか。どこから来たか来た企業企業データと照らすと、企業名・業種・規模が分かることがあるサイトの外での関心インテントデータと組み合わせると、調べているテーマが分かる分からないこと氏名・連絡先と、本当に検討しているかどうか企業ごとの検討の手がかりにはなるが、買うと決めた合図ではない
図2:アノニマスリードからは、閲覧したページと来た企業が分かることがある。氏名・連絡先と、検討しているかどうかは分からない

閲覧したページは、検討の手がかりの1つです。料金のページが閲覧されていても、競合の調査や、社内の別の目的かもしれません。自宅や外出先からの閲覧のように、企業が分からない訪問もあります。企業が分かっても、その中の誰が、どの部署から見ているかまでは分からないことが多くあります。

訪れた企業を知るには、訪問した企業が分かるツール(ABMのツールや、企業の判定ができるMAなど)が要ります。アクセス解析のツールだけでは、企業名は出ません。サイトの外で関連するテーマを調べているかどうかは、インテントデータと呼ばれる別のデータで分かります。

なぜBtoBで、アノニマスリードを企業ごとに見る必要がある?

BtoBの買い手は、名乗る前にサイトや比較の記事で調べ終えることが多く、フォームを待つだけでは、比較の候補を決める場面に関われないからです。

資料請求のフォームまで進む人は、訪問者の一部です。残りの訪問者の中には、今まさに比べている企業も、半年後に検討を始める企業も混ざっています。名乗るのを待っている間に、買い手は候補を数社に絞ってしまいます。企業ごとに訪問を見ておけば、まだ名乗っていない企業にも、広告や資料の案内でこちらから接点を作れます。

公開事例では、リコー様が、新規事業の樹脂判別ハンディセンサーのサイトで、訪問者の多くがフォームに情報を残さず離れてしまう課題を抱えていました。どんな課題を持ち、何を探しているのかが分からず、問い合わせを待つだけになっていたそうです。

今は、展示会の名刺と、展示会後にサイトを見ている企業のデータを組み合わせ、毎週の連絡の順番を決めています。展示会のリストをもとにした連絡から、商談につながる成果も出始めています。

アノニマスリードを商談につなげる5つの手順

アノニマスリードは、ターゲット企業と突き合わせ、企業ごとにまとめ、施策を始める順番を決め、接点の有無で施策を分け、結果を段階で数えて商談につなげます。

アノニマスリードを商談につなげる5つの手順アノニマスリードを商談につなげる5つの手順。1 ターゲット企業と突き合わせる(一覧にある企業と無い企業に分ける)、2 企業ごとにまとめる(何人が、どのページを見たか)、3 施策を始める順番を決める(ターゲット企業の条件・最近の訪問・調べているテーマ)、4 接点の有無で施策を分ける(文面には閲覧のことを書かない)、5 一覧の行に書いて数える(サイト訪問から新規リード・商談へ進んだ企業の数)。アノニマスリードを商談につなげる5つの手順1ターゲット企業と突き合わせる一覧にある企業と無い企業に分ける準備2企業ごとにまとめる何人が、どのページを見たか準備3施策を始める順番を決める条件・最近の訪問・調べているテーマ準備4接点の有無で施策を分ける文面には閲覧のことを書かない連絡5一覧の行に書いて数えるサイト訪問から新規リード・商談へ毎月
図3:アノニマスリードは、ターゲット企業と突き合わせ、企業ごとにまとめ、施策を始める順番を決め、接点の有無で施策を分け、結果を段階で数えて商談につなげる

手順1:ターゲット企業の一覧と突き合わせる

訪問した企業を、ターゲット企業の一覧にある企業と、無い企業に分けます。一覧に無い企業は、図4の下の段で扱い、追いすぎないようにします。ターゲット企業の決め方は「ターゲット企業(ターゲットアカウント)とは?」で紹介しています。

手順2:担当者でなく、企業ごとにまとめる

同じ企業から何人が、どのページを、何回見たかを企業ごとにまとめ、手順3の順番を決める材料にします。1人が1回見ただけの企業と、複数の人から何度も見られている企業では、施策を始める順番が変わります。

手順3:施策を始める企業の順番を決める

ターゲット企業の条件にどれだけ合うか、最近の訪問があるか、サイトの外で関連するテーマを調べているかを手がかりに、順番を付けます。訪問の多さだけで、検討していると決めつけません。

手順4:連絡先のある接点の有無で、施策を分ける

その企業に、名刺や過去の商談など連絡先の分かる接点があるかで、施策を分けます。

条件と接点の有無で、アノニマスリードへの施策を分ける縦軸はターゲット企業の条件に合うか、横軸は名刺や過去の商談など連絡先の分かる接点があるか。条件に合い接点もある企業は、インサイドセールスが業種と課題で連絡する。条件に合うが接点が無い企業は、企業を指定した広告と、サイトの中の資料・セミナーの案内で、名乗ってもらうきっかけを作る。条件外だが接点がある企業は、メルマガで接点を続け、条件に近づいたら見直す。条件に合わず接点も無い企業は今は追わず、条件を見直すときの材料に残す。条件と接点の有無で、アノニマスリードへの施策を分ける広告とサイトの中で案内する条件に合うが接点が無い名乗ってもらうきっかけを作るインサイドセールスが連絡する条件に合い接点もある業種と課題で連絡する今は追わない条件に合わず接点も無い条件を見直すときの材料に残すメルマガで接点を続ける条件外だが接点がある条件に近づいたら見直す名刺や過去の商談など、連絡先の分かる接点がある →↑ ターゲット企業の条件に合う(上ほど合う)
図4:ターゲット企業の条件に合うかと、連絡先の分かる接点があるかで4つに分け、両方がそろった企業はインサイドセールスが連絡する

接点がある企業には、インサイドセールスが連絡します。連絡する相手は名刺や過去の商談の担当者で、ページを見た本人とは限りません。だからこそ、連絡の文面には、相手が見たページのことは書かず、業種と課題で書きます。

接点が無い企業には、広告とサイトの中の2つの経路で、名乗ってもらうきっかけを作ります。広告では、企業を指定して業種別の資料やセミナーを案内します。サイトの中では、よく見られているページに、その課題に合う資料やセミナーの申し込みを置きます。企業を指定して出す広告は「ABM広告完全ガイド」で紹介しています。

手順5:結果を一覧の行に書き、段階ごとに数える

連絡や施策の結果を、手順1の一覧の、その企業の行に書きます。サイト訪問の段階から新規リード、商談に進んだ企業の数を毎月数え、どの施策で名乗ってもらえたかを確かめます。

セールスの側から見た進め方は「アノニマスセールスとは」、マーケティングの側から見た進め方は「アノニマスマーケティングとは」で紹介しています。

アノニマスリードでよくある4つの失敗は?

よくある失敗は、新規リードに数える、訪問の多さだけで連絡する、文面で閲覧に触れる、企業の一覧を配って終わる、の4つです。

失敗1:新規リードに数える

匿名の訪問をリードの件数に入れると、件数は増えて見えますが、連絡できる相手は増えていません。リードからの商談化率も下がって見え、施策の良し悪しを判断できなくなります。

失敗2:訪問の多さだけで連絡する

訪問が多い企業が、検討している企業とは限りません。採用ページを見ている求職者や、競合の調査かもしれません。ターゲット企業の条件と、見たページの中身を合わせて順番を決めます。

失敗3:文面で閲覧に触れる

相手が見たページに文面で触れると、相手は見張られていると感じます。連絡した相手がページを見た本人でなければ、話もかみ合いません。閲覧は、施策を始める企業と順番、案内する資料を決めるためだけに使います。

失敗4:企業の一覧を配って終わる

訪問した企業の一覧を毎週営業に配るだけでは、営業はどこから手を付ければよいか分かりません。結果も戻ってこないため、翌月の順番を直せません。一覧は段階と順番を決める材料として使い、連絡の結果を同じ企業の行に戻します。

アノニマスリードのよくある質問

アノニマスリードとは何ですか?
自社サイトを訪れているものの、まだ名乗っていない見込み客です。匿名リードやアノニマスユーザーとも呼ばれます。
アノニマスとはどういう意味ですか?
英語の anonymous で「匿名の」という意味です。同じ名前のハッカー集団とは関係ありません。
アノニマスリードとコールドリードの違いは何ですか?
アノニマスリードは連絡先が分からない訪問者、コールドリードは連絡先は分かるものの、関心が低いか接点が途切れている見込み客です。
アノニマスリードの個人は特定できますか?
名乗るまでは分かりません。資料請求などで名乗ると、アノニマスリードから外れます。企業までは分かることがあります。
アノニマスリードは、リードの件数に入れますか?
入れません。訪問した企業ごとに、商談から順に段階を当てはめ、ほかの接点が無ければ「サイト訪問」で数えます。
アノニマスリードにメールを送れますか?
連絡先が無いので送れません。企業を指定した広告や、サイトの中の資料・セミナーの案内で、名乗ってもらうきっかけを作ります。

アノニマスリードと一緒に知っておきたい用語

ABMで企業ごとに施策を組み、インテントデータでサイトの外での関心を見ます。

まとめ:アノニマスリードは、企業ごとの段階で数える

  1. 意味:自社サイトを訪れているものの、まだ名乗っていない見込み客です。訪れた企業までは分かることがあります。
  2. 数え方:新規リードの件数に入れず、ターゲット企業ごとに商談から順に段階を当てはめます。ほかの接点が無ければ「サイト訪問」です。
  3. 分かること:閲覧したページ・日時・回数と、訪れた企業です。氏名、連絡先、検討しているかどうかは分かりません。
  4. 手順:ターゲット企業と突き合わせ、企業ごとにまとめ、順番を決め、接点の有無で施策を分け、結果を段階で数えます。

今日できることは、先月サイトを訪れた企業のうち、ターゲット企業に当てはまる企業を書き出し、名刺や過去の商談の接点があるかを横に書くことです。接点がある企業から、インサイドセールスが連絡する順番を決められます。

ウルテク(URUTEQ)は、ABM(アカウントベースドマーケティング)の考え方で、ターゲット企業からの商談獲得を仕組み化するBtoBマーケティング・営業支援サービスです。マーケティング施策の結果、営業の対応、サイトの外で調べているテーマを企業ごとに分析し、アプローチの抜け漏れと、商談につながった施策を解析します。毎月の定例で商談の結果を確かめ、翌月の施策に反映します。ターゲット企業の選定から効果の検証まで、ウルテクチームが並走します。

サイト訪問・新規リード・商談などの5つの段階の判定表と、初月の段階ごとの社数の出し方は、「ABM実践ワークブック」の工程2にまとめています。

著者紹介
井上翔太
ウルテク| URUTEQ 事業責任者 ---- 新卒で証券会社に入社し、BtoCのセールスを経験。その後、PR代理店にてBtoB・BtoC企業向けのデジタルマーケティングコンサルティングや新規営業を担当。ログリー株式会社入社後は、BtoBマーケティング向けSaaSの開発やマーケティング、セールスなどを行う。現在は、これまでの経験を活かし、BtoBマーケAIエージェント「アカウントインテリジェンスツール ウルテク」の事業責任者を務めている。

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