ABM
AI
ABM(アカウントベースドマーケティング)に取り組んでいるものの、「ターゲットアカウントを選定したまま動けていない」「リストはあるが優先順位がつかない」「営業に渡しても動いてもらえない」――こんな状態で止まっていないでしょうか。
ABMの考え方自体はシンプルです。ターゲット企業を絞り、そこに集中してアプローチする。ただ、実務に落とし込もうとすると、「誰から攻めるか」「今どの企業が検討中か」「どんなメッセージが刺さるか」の判断が難しく、結局リスト全体に同じアプローチをしてしまうケースが少なくありません。
この課題を解決するのが、AIとインテントデータをABMに組み込むアプローチです。ターゲットアカウントの「今の関心」をデータで捉え、AIで優先順位付けとアプローチ設計を自動化することで、ABMが「戦略だけの概念」から「毎週回せる施策」に変わります。
本記事では、ABMにAIを組み込む具体的な方法を、5つのステップと実践例で解説します。
※ ABMとABXの基本的な違いについては「ABMとABXの違いと実践ガイド」、AIマーケティングの全体像は「AIマーケティング完全ガイド」をご覧ください。
目次
ABM(アカウントベースドマーケティング)とは、自社にとって価値の高いターゲットアカウント(企業)を特定し、その企業ごとにカスタマイズしたマーケティング・営業活動を展開する戦略のことです。
ABMはBtoBマーケティングの王道戦略として多くの企業が導入を試みていますが、実際に成果を出し続けている企業は限られています。その原因は大きく3つあります。
業種、企業規模、地域などの属性情報だけでターゲットを絞っていませんか。属性が一致していても、「今、自社の課題を解決するソリューションを検討している」かどうかは別の話です。属性フィルタだけのABMは、的は絞れているのに弾が当たらない状態を生みます。
ターゲット企業をリストアップしても、「この100社のうち、今どこが動いているか」が分からなければ、結局上から順にアプローチするしかありません。これではABMの意味が薄れます。必要なのは、アカウントごとの「今の検討温度」をリアルタイムで把握する仕組みです。
ABMの理想は「1社1社にカスタマイズしたアプローチ」です。しかし、ターゲットが50社、100社になると、個別にメッセージを考え、資料を作り、タイミングを計る工数が現実的ではありません。結局、全社に同じテンプレートを送ることになりがちです。
この3つの課題に共通するのは、「データが足りない」のではなく「データが施策に変わる仕組みがない」ということ。ここにAIとインテントデータを組み込むことで、ABMは動き始めます。
ABMにAIを組み込むとは、ターゲット選定・優先順位付け・メッセージ設計・アプローチ実行・効果測定の各フェーズにインテントデータとAIを組み合わせ、ABMの運用負荷を下げながら精度を上げる取り組みです。
以下の5ステップで、ABMを「戦略」から「毎週回せる施策」に変えていきます。
ABMの出発点はICP(Ideal Customer Profile)の設計です。ただし、「売上規模○億円以上、従業員○名以上」だけでは不十分です。
AIを使ったICP設計では、過去の受注企業の共通パターンをデータから抽出します。業種・規模だけでなく、「どんなページを見ていたか」「どんなインテント(検索行動)を持っていたか」「どの段階でCVしたか」まで含めた行動ベースのICPを設計できます。
関連記事:ICP(理想顧客像)の作り方ガイド
ICPに合致する企業をリストアップしたら、次は「その中で今、動いているのは誰か」を知る必要があります。
ここで力を発揮するのがインテントデータです。ターゲットアカウントが自社サイトをどう閲覧しているか、サイト外でどんなテーマを検索しているかをリアルタイムで把握し、検討温度の高い企業を自動で浮き上がらせることができます。
同じターゲット100社でも、「今週、料金ページと競合比較ページを見た5社」と「3ヶ月アクセスのない95社」では、優先度が全く異なります。
優先度の高いアカウントが見えたら、次は「何を伝えるか」を設計します。
AIにターゲットアカウントのインテントデータ・閲覧行動・CRM情報を渡すと、以下のようなアウトプットが得られます。
これにより、「1社ごとにリサーチして仮説を作る」工数が劇的に短縮されます。
課題仮説ができたら、それに基づいたアプローチを実行します。AIを使えば、以下のようなパーソナライズが工数を抑えて実現できます。
「100社に100通りのメッセージ」は人力では不可能ですが、データ基盤 × AIなら現実的です。
ABMの効果測定は、リード数ではなくアカウント単位の進捗で見ます。
AIにこれらのデータを渡すと、「どの属性・どのインテントパターンの企業が商談化しやすいか」の傾向を分析し、ICPやアプローチ方針の改善につなげられます。
ABMの導入を検討している企業も、すでに取り組んでいる企業も、まず自社の現在地を確認することが重要です。以下の10項目で、ABMの成熟度をセルフチェックしてみてください。
| No. | チェック項目 | 初級 | AI活用後 |
|---|---|---|---|
| 1 | ターゲットアカウントが明確にリスト化されている | 属性のみ | 行動データ込み |
| 2 | ICPが定義されている | 業種・規模 | インテント含むICP |
| 3 | アカウントの検討温度をリアルタイムで把握できる | 不可 | インテント連動 |
| 4 | 優先度の高いアカウントを自動で抽出できる | 手動選定 | AIスコアリング |
| 5 | アカウントごとの課題仮説がある | 営業の勘 | AI仮説生成 |
| 6 | パーソナライズしたメッセージを送れている | テンプレ統一 | 企業別AI生成 |
| 7 | マーケと営業でターゲット情報が共有されている | 会議ベース | 基盤で常時共有 |
| 8 | 展示会・イベント後のフォローがデータに基づいている | 名刺順 | 検討度順 |
| 9 | アカウント単位で効果測定している | リード数のみ | 商談化率で評価 |
| 10 | ABMの改善サイクルが定期的に回っている | 年1回見直し | 毎週AI分析 |
「初級」の状態が多い場合、ABMの仕組み自体を見直す段階です。「AI活用後」に近い項目が増えるほど、ABMが実務として機能し始めている状態です。
データ設計の考え方については「BtoBマーケティングでAI活用が失敗しやすい理由」も参考になります。
ABX(アカウントベースドエクスペリエンス)とは、ABMの考え方を発展させ、ターゲットアカウント内の個々の意思決定者に対して、検討段階に応じたパーソナライズされた体験を提供するアプローチのことです。
ABMが「どの企業を狙うか」に重点を置くのに対し、ABXは「その企業の中の誰に、どんな体験を届けるか」まで踏み込みます。
BtoBの購買では、1つの意思決定に平均6〜10名のステークホルダーが関与すると言われています。同じ企業内でも、現場担当者と経営層では関心テーマも検討ポイントも異なります。
AIとインテントデータを活用すれば、以下のようなABXの実践が可能になります。
ここまで紹介したABMのAI活用は、データがバラバラのままでは実現できません。来訪企業データ、インテントデータ、CRM情報がひとつの基盤で統合されていることが前提です。
URUTEQ(ウルテク)は、ABMの実行に必要なデータ統合とAI分析をワンストップで提供する、BtoBマーケティングエージェントです。
ABMで使えるURUTEQの機能
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