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CVが取れない=失敗ではありません。広告でサイトに来た“匿名企業”を可視化し、10秒以上の閲覧、回遊、再訪、料金ページ閲覧などの1st party行動と、訪問前後に何を調べていたかという3rd partyインテントを統合。CV依存から脱却し、広告→可視化→選別→営業アクションまでを一本化する商談化手順を整理。流入ページ別の訴求設計、フォーム営業の文面づくり、ウルテクで回す運用例まで紹介します。

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目次
BtoBマーケティングの現場において、多くの担当者が「CV(コンバージョン)数」という数字に一喜一憂しています。広告の管理画面を開き、今月のCV数が目標に届いていなければ、クリエイティブを変え、ターゲティングをいじり、それでもダメなら予算配分を見直す。いわゆるPDCAを高速で回しているはずなのに、なぜか営業部門からは「リードが足りない」「質が悪い」と言われてしまう。
もし、あなたがそんな閉塞感を感じているのなら、一度立ち止まって考えてみてください。「CVが取れないこと」は、本当に「失敗」なのでしょうか。
実は、多くのBtoB企業が陥っている罠がここにあります。問い合わせフォームに入力してくれる企業だけを「成果」と定義してしまった瞬間に、本来ならば商談になり得たはずの「検討中の匿名企業」をすべて切り捨ててしまっている可能性があるのです。
本記事では、広告でサイトに訪れたもののCVには至らなかった「匿名企業」を可視化し、そこから商談を生み出すための具体的な手法を解説します。サイト内での行動データ(1st Party Data)と、サイト外での興味関心データ(3rd Party Data)を統合し、マーケティングと営業が連携して攻めるための「型」を共有します。
机上の空論ではなく、流入ページ別の訴求設計や、実際の営業メールの文面、そしてツールを活用した運用例まで、現場で使えるレベルに落とし込んで整理しました。CV至上主義から脱却し、確実に商談を積み上げるための新しいアプローチを一緒に見ていきましょう。

BtoB商材の検討プロセスを想像してみれば、答えは明白です。担当者が課題を感じて検索を始め、いくつかのサービスサイトを比較し、上司に相談し、予算を確認する。この長いプロセスの大半は、問い合わせフォームに入力する「前」に行われています。
あるSaaS企業のマーケティングチームで起きた、典型的な事例をご紹介しましょう。彼らは月額数百万円の広告予算を投下し、CPA(獲得単価)を指標に運用を最適化していました。CPAを下げるために、CVしやすいキーワードやバナーに予算を寄せ、ランディングページもCV率重視で改善を繰り返しました。
結果どうなったか。管理画面上のCV数は目標を達成しました。しかし、営業部門からのフィードバックは散々なものでした。「個人の情報収集ばかりで決裁権がない」「そもそも予算化されていない」といった声が相次ぎ、受注率は低下の一途をたどったのです。一方で、本当に受注につながるような大手企業の担当者は、じっくりと比較検討を行っている最中であり、まだ問い合わせをする段階ではありませんでした。彼らはサイトを訪れてはいましたが、CVというシグナルを出さないため、マーケティングチームからは「成果なし」として無視されていたのです。
ここで起きているのは、完全な機会損失と組織の分断です。
こうした悪循環を断ち切るためには、視点を根本から変える必要があります。最初に見るべき成果は「CV」ではありません。「広告によって動き出した企業」そのものです。問い合わせという最終アクションの手前で起きている、企業の「揺らぎ」や「関心」を捉えることこそが、BtoBマーケティングの本来の役割であるはずです。

では、具体的にどうすればよいのでしょうか。概念的な話だけでは現場は動きません。CVを待たずにこちらから仕掛けるための「商談化の型」を整理しました。全体像は以下の5つのステップで構成されます。
このサイクルを回すことで、マーケティングは「質の高い企業を連れてくること」に集中でき、営業は「確度の高い企業にアプローチすること」に集中できます。両者の利害が一致し、組織としての一体感が生まれるのも、この手法の大きなメリットです。

「来訪企業を可視化しよう」と言うと、多くの人が「毎日大量の企業リストが出てきて、どこから手をつければいいか分からない」という状態に陥ります。データの海に溺れてしまっては意味がありません。
重要なのは、営業担当者が「これなら電話してみようかな」「メールを送ってみようかな」と思えるだけの根拠、つまり「シグナル」を見つけることです。私たちは、確度を見極めるために以下の4つのシグナルを推奨しています。これらを組み合わせて選別ルールを作ってください。
これは誤クリックや、一瞬で「違うな」と思って離脱した層を弾くための最低ラインです。滞在時間が極端に短いアクセスは、検討段階に入っていません。まずはこのフィルタリングでノイズを除去します。
ランディングページだけを見て終わるのではなく、製品ページ、事例ページ、会社概要など、複数のページを回遊している企業に注目します。情報を深掘りしようとする動きは、何らかの課題意識や興味を持っている証拠であり、「探索」フェーズに入っている可能性が高いと言えます。
一度きりの訪問ではなく、数日後や数週間後に戻ってきている場合、それは強いシグナルです。社内で話題に上がり、再確認のために訪れているのかもしれません。 特に注目すべきは「料金ページ」の閲覧です。BtoBにおいて価格を気にするタイミングは、導入の現実味が増してきたフェーズであることが多いです。「予算感を知りたい」「稟議に通せるか確認したい」といった具体的なニーズが透けて見えます。再訪かつ料金ページ閲覧がある企業は、営業優先度を最高ランクに引き上げて良いでしょう。
ここが、営業からのアプローチを「迷惑な売り込み」にするか、「タイムリーな提案」にするかの分かれ道です。 自社サイト内(1st Party Data)の行動だけでは、「何を見たか」は分かっても、「なぜ今それを見たのか」という背景までは分かりません。そこで活用するのが、Web全体での閲覧履歴などのサイト外インテント(3rd Party Data)です。
たとえば、自社の「セキュリティソフト」のページを見ている企業がいたとします。その企業が、サイトに来る直前に「リモートワーク セキュリティ リスク」という記事を熱心に読んでいたとしたらどうでしょうか。彼らの課題は単なるソフトの導入ではなく、リモートワーク環境の整備にあることが分かります。 あるいは、競合他社の製品比較記事を読んだ後に自社サイトに来ているなら、まさに比較検討の真っ最中です。
サイト外の動きを合わせることで、相手が抱えている論点、比較軸、懸念、背景事情が見えてきます。ここまで分かれば、営業は「御社の状況にぴったりの情報があります」と自信を持って声をかけることができます。これが「刺さるメッセージ」の源泉です。

企業名と関心事が分かったら、次は具体的なアプローチです。ここでは、代表電話へのコールやフォーム営業、あるいは担当者へのメール送付を想定します。
鉄則はシンプルです。「相手が見たページ」と「前後のインテント(文脈)」から話を始めること。いきなり「弊社の新製品をご紹介します」と商品説明に入ってはいけません。それは相手にとってノイズでしかないからです。そうではなく、「あなたが調べていることについて、役立つ情報を持っていますよ」というスタンスで入ることで、返信率や会話の継続率は劇的に変わります。
以下に、流入パターン別の文面例を作成しました。これをベースに自社向けに調整してみてください。

オウンドメディアのお役立ち記事や、ブログ記事などを読んでいた場合のパターンです。相手はまだ情報収集の初期段階にいます。
件名:◯◯の改善で、まず確認すべき3点だけお送りします
本文: ◯◯株式会社 ご担当者様
突然のご連絡にて失礼いたします。株式会社△△の佐藤と申します。 先日、弊社サイトにて◯◯に関する記事をご覧いただいていたようでしたので、ご連絡いたしました。
もし現在、◯◯のテーマで情報収集やご検討を進められているようでしたら、社内での整理や意思決定が進みやすくなる「比較検討の観点(3点)」を1枚の資料にまとめましたので、共有させていただきたく存じます。
具体的な製品のご案内というよりは、検討の土台となる情報の提供ですので、お役立ていただけるかと思います。必要でしたらPDFをお送りしますが、いかがでしょうか?
同業他社の導入事例や、似た規模感の企業のケーススタディを見ていた場合です。自分たちに当てはめてシミュレーションしようとしています。
件名:同業の事例で反応が良かった“最初の一手”だけ共有できます
本文: ◯◯株式会社 ご担当者様
(挨拶省略) 先日、弊社サイトにて◯◯業界様の導入事例をご覧いただいておりました。 事例の中で触れていた「(特定の課題や論点)」について、御社でも近い状況でいらっしゃいますでしょうか?
もし状況が近いようでしたら、その事例企業様が立ち上げ初期に実施して特に効果が高かった「最初の一手」について、詳細な数値を伏せた形にはなりますが、簡単に共有可能です。
同業界での成功パターンとして参考になるかと存じます。よろしければ情報交換のお時間を10分ほどいただけないでしょうか?
料金ページを見たということは、費用対効果や予算感を気にしています。ここで離脱しているなら、何らかの懸念(高すぎる、複雑そう、追加費用が不安など)を持っている可能性があります。
件名:料金ページをご覧になった前提で、導入判断の論点だけ整理します
本文: ◯◯株式会社 ご担当者様
(挨拶省略) 先日、弊社の料金ページをご覧いただいておりました。 現在、比較検討の段階かと存じますので、導入をご判断いただく際によく出る論点(費用の見方、必要な運用体制、計測の前提条件など)を先に整理して共有させていただければと思いました。
表面的な価格だけでなく、実際の運用でかかるコストやリターンについて、他社様がどのように判断されているかをお伝えできます。まずは10分だけ、前提のすり合わせはいかがでしょうか?
このように、相手の行動に合わせて「情報の粒度」と「切り口」を変えることが重要です。相手は「自分たちのことを分かってくれている」と感じ、ガードを下げてくれるはずです。
ここまで紹介した「可視化からアプローチまで」の流れができると、広告運用の目的そのものが変わってきます。これまでは「CVを獲得すること」が唯一の正義でしたが、新しいモデルでは「動く企業(商談候補)を増やすこと」がゴールになります。
無理にCVを取りに行こうとして、煽りの強いクリエイティブで質の低いリードを集める必要はありません。また、CVが出ないからといって、商談につながる可能性のある優良なキーワードや配信面を停止する必要もなくなります。
「検討中の企業をサイトに呼び込み、興味を持たせて回遊させ、それを可視化して営業につなぐ」。このプロセス自体が広告の成果として成立するようになるのです。
さらに、このサイクルが回り始めると、データ活用の質が一段階上がります。 営業アプローチの結果、「この企業は反応が良かった」「このページを見た企業は受注につながった」という事実が判明します。このデータを広告側にフィードバックするのです。そうすれば、反応が良い企業に類似したオーディエンスに配信を寄せたり、特定のページで離脱した企業に対してだけ特別な追客広告を出したりと、広告から営業への歩留まりを科学的に上げていくことができます。

ここまで読み進めてきて、「理屈は分かるけれど、現実はそう簡単ではない」と感じている方もいるかもしれません。現場でよく直面する3つの壁と、その乗り越え方について触れておきます。
懸念1:「データが見えても、営業が動いてくれないのでは?」 これは最も多い悩みです。マーケ側がリストを渡しても、営業が忙しさを理由に放置してしまうケースです。 解決策は「数を絞ること」と「理由を添えること」です。全件渡すのではなく、「料金ページを2回見た企業」や「競合比較記事を読んでいる企業」など、明らかに熱量の高い数社だけに絞って渡してください。そして、「なぜ今アプローチすべきか」というインテント情報をセットで伝えること。数件程度なら営業も負担にならず、成果が出れば自ら「もっと欲しい」と言ってくるようになります。
懸念2:「匿名へのアプローチは、気味悪がられないか?」 「なぜウチが見ていることを知っているんだ」と不審がられるリスクはゼロではありません。 だからこそ、前述したメール文面のように「売り込み」ではなく「論点整理の提供」というスタンスを崩さないことが重要です。「追跡しています」と公言する必要はありません。「先日サイトをご覧いただいたようなので」とさらりと触れるか、あるいはサイト閲覧には触れずに「◯◯業界の方へ情報提供しています」と入るのも手です。相手にとって有益な情報であれば、きっかけが何であれ歓迎されるものです。
懸念3:「高度なツールを入れる予算もリソースもない」 いきなり高価なMA(マーケティングオートメーション)やIP解析ツールをフルスペックで導入しようとすると挫折します。 まずはスモールスタートで構いません。無料トライアルのあるツールを使ってみる、あるいは広告プラットフォームが提供している分析機能を活用するなど、できる範囲から「企業の動き」を見る習慣をつけることが大切です。仕組みよりも先に、マーケと営業が連携する「文化」を作ることの方が、実はハードルが高いからです。
私たちが提案しているこの商談化のプロセスを、スムーズに実現するための基盤となるのが「ウルテク」というサービスです。ここまで解説してきた「実現したいこと」を、そのまま機能として実装しています。

具体的には、以下の要素をワンストップで提供します。
特に注目すべきは、「ウルテク広告」というサービスの手軽さです。通常、こうした高度なターゲティングやデータ連携を行うには、高額なツールの契約や複雑な設定が必要になりがちです。しかしウルテク広告は、ツール契約がなくても広告単独で利用が可能であり、初期費用や月額固定費も不要。最低出稿金額10万円からという、BtoB企業にとって非常にトライしやすい条件で提供されています。
つまり、「広告で質の高い入口を作る」ところから、「営業につなぐために精度の高い選別をする」ところまでを、同じデータと思想で一気通貫させることができるのです。ツール導入の壁を感じている企業にとって、この「始めやすさ」は大きな武器になるはずです。
BtoBマーケティングにおいて、CVはあくまで一つの通過点に過ぎません。CVしなかったからといって、その企業の検討が終わったわけではないのです。むしろ、水面下で進む検討プロセスをいかに捉え、適切なタイミングで手を差し伸べられるかが、勝負の分かれ目となります。
最後に、商談化のステップを再掲します。
この流れが回り始めると、マーケティングは単に「リードを集める人」から「商談を創出する人」へと進化します。営業も、確度の低いリストへの「当てずっぽうなアタック」から解放され、戦略的な提案活動に時間を使えるようになります。
広告と営業が、同じデータ、同じ「企業の動き」という共通言語で会話できる状態。これこそが、組織として商談化を最大化するための最短距離です。まずは「CV以外の成果」に目を向けるところから、新しい一歩を踏み出してみてください。
Q1. CVが取れない広告は、すぐに止めるべきですか? いきなり止めるのではなく、まずは評価軸を変えてみてください。「CVしたか」ではなく「有望な企業が動いたか」で再評価すると、判断が逆転することがよくあります。CVがゼロでも、ターゲット企業からの回遊や再訪、料金ページの閲覧といった「検討シグナル」が多く取れているなら、その広告は営業連携の観点で高い価値を生んでいます。
Q2. 「10秒以上」などの選別ルールは、業界標準がありますか? 絶対的な正解や固定された業界標準はありません。重要なのは、社内で合意できる「再現可能なルール」として仮置きすることです。最初は分かりやすい閾値(例:閲覧10秒以上、3ページ以上回遊、料金ページ閲覧など)でスタートし、実際に商談化した企業の行動データを後から分析して、徐々にチューニングしていくのが確実です。
Q3. フォーム営業が嫌がられないためのコツはありますか? 「売り込み」の匂いを消すことです。相手は自分たちの課題を解決したいのであって、製品を買わされたいわけではありません。相手が見ていたページの内容を前提に、「検討の役に立つ情報の整理」「他社の成功事例の共有」といった“論点整理”や“情報提供”のスタンスで連絡するのが安全かつ効果的です。
Q4. 広告運用の次に何を整えると、商談化が伸びますか? 営業に渡す際の「優先順位のルール」を明確にすることです。可視化されたデータをすべて営業に渡しても、忙しい営業は対応しきれません。「誰に」「どのタイミングで」渡すかが曖昧だと、現場は疲弊します。「再訪があったら」「料金ページを見たら」など、行動ベースでのトスアップ条件を握ることが成功の鍵です。
Q5. ウルテク広告は、具体的にどんな使い方が向いていますか? 特定の部署・役職を指定した配信や、手持ちの営業リストを活用したターゲット配信、あるいはサイト離脱者への追客など、BtoB特有の「狙い撃ち」施策に向いています。本記事の文脈で言えば、「検討してくれそうな企業をピンポイントで連れてくる(動く企業を増やす)」ための入口づくりとして非常に相性が良いです。
Q6. ツール導入がなくても、この考え方は使えますか? 考え方自体は普遍的なものであり、ツールがなくても意識することは可能です。ただし、匿名企業のIPアドレスからの社名特定、サイト内外のインテントデータの統合、そしてそれらを広告配信や営業リストにリアルタイムで反映させるという運用を「手動」で回すのは現実的ではありません。運用として定着させ、再現性を持たせるためには、何らかの仕組み(ツール)の実装が必要になります。
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