展示会の効果測定で商談を増やす！見るべき指標と成果を伸ばす6ステップ

展示会からの商談を増やすには、展示会で得られたデータと顧客の関心行動（インテント）をもとにした効果測定が重要です。本記事では、展示会で見るべき指標と、商談成果を高めるための6つのステップをわかりやすく解説します。ぜひ、参考にしてください。

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この記事でわかること

• 名刺数ではなく、展示会後のインテントを使った「質」の効果測定こそが、商談数を大きく左右する主要因である。
• 商談につながりやすい見込み顧客は展示会後の行動から正確に特定でき、営業フォローの精度が改善されることで商談化率が大幅に上がる。
• 効果測定を6ステップで体系化することで、展示会を「単発施策」から「継続的に成果が伸びる改善サイクル」へ変えられる。

展示会後の商談成果を最大化するための「効果測定」とは

展示会の効果測定とは、展示会で集めたデータをもとに「どれだけ成果が出たのか」「商談につながる行動が生まれていたのか」を明らかにする作業です。展示会は投資額が大きいため、数字で振り返り、成果を客観的に評価することが欠かせません。

効果測定をおこなうことで、次の展示会で商談成果を伸ばすために何を改善すべきかが見えます。特に重要なのは、名刺の枚数や商談数といった“量のデータ”だけで判断しないことです。展示会後に企業がどのような行動を取ったのかで、どれだけ関心が高いのかを読み取ることができます。こうした関心度の高さを示す行動を「インテント」と呼び、これを正しく把握できるかどうかが、展示会の成果を大きく左右します。

例えば、下記のような行動はインテントの強いシグナルです。

• Webサイトへ再訪問する
• 複数ページを閲覧し、料金・事例など深い情報を見る
• 資料をダウンロードする
• メールを開封・クリックする
• 問い合わせやデモ依頼をおこなう
• SNSでフォローやリアクションをする
• 別のイベントやウェビナーに参加する

これらはすべて、興味が続いている状態や検討が進んでいる状態であるという証拠です。展示会後のこうしたインテントも含めて効果測定をおこなうことで、商談につながる展示会へと着実に育てていくことができます。

効果測定が商談数に直結する3つの理由

展示会後の効果測定は、商談数を伸ばすために重要なプロセスです。「今回の展示会がどれだけ商談につながったのか」を数字で振り返ることで、成功・失敗を客観的に評価できます。 効果測定が商談数に直結する理由は、主に次の3つです。

1. 課題が明確になり展示会施策を改善しやすくなる
2. 商談が生まれやすいターゲットが可視化される
3. 営業フォローの優先順位が決まる

これらの理由が示しているのは、効果測定が単なる振り返りではなく、展示会を“商談につながる状態”へ導くための核であるということです。課題・ターゲット・優先順位が明確になることで改善すべきポイントがはっきりし、次回の展示会で商談を生み出す精度が大きく高まります。

【6ステップ】展示会後の商談成果を上げる効果測定方法

展示会後の効果測定では、数多くのデータをすべて追う必要はありません。重要なのは、ステップごとに必要な指標だけを絞って確認することです。展示会後は名刺情報、来場者数、アンケート、Web行動データなど膨大な情報が集まります。本章では、それらを“商談につながる順番”に沿って整理し、成果につながる効果測定の6ステップとして解説します。

1. 展示会の目的とKPIを整理する
2. 展示会当日のデータを収集・一元化する
3. 営業フォローの状況を可視化する
4. 成果を計測する
5. ROI（費用対効果）を算出する
6. 過去出展と比較し、改善点を見つける

ステップ1.展示会の目的とKPIを整理する

まずおこなうべきは、「今回の展示会で何を達成したいのか」を明確にすることです。商談化を目指すのか、名刺獲得を増やしたいのか、あるいは認知向上が目的なのかによって、追うべき指標（KPI）は大きく変わります。ここが曖昧なままだと、後の効果測定で「何が成功で、どこが改善点なのか」が判断できません。

KPIとして設定される主な指標は、次のとおりです。

• 商談数
• 商談化率
• 受注数
• 売上 / LTV（顧客生涯価値）

KPIは“展示会の目的に直結する数字”に絞ることが重要です。目的が変わればKPIも変わります。あらかじめKPIを明確にしておくことで、展示会終了後の比較・分析・改善がスムーズになり、成果につながる振り返りができます。

ステップ2.展示会当日のデータを収集・一元化する

展示会当日のデータがバラバラに管理されていると、後から正しい分析ができません。名刺情報・来場者数・アンケート・Webアクセス情報などを集め、一つの場所にまとめておきましょう（データの一元化）。 確認したい当日の反応データは次のとおりです。

• 来場者数
• 名刺獲得数・リード数
• アンケート回答数
• 展示会直後のWebアクセス数

特にアンケートは数量だけでなく、どのような課題を抱えていたかや、導入意欲が高いかなど質的情報が営業戦略に直結します。他にも、当日の反応が強い見込み顧客ほど商談につながりやすいため、これらのデータはフォローの優先順位を決めるうえでも非常に重要です。

データを分散管理すると、営業フォローの温度感がつかみにくくなります。一方で、MA（マーケティングオートメーション）やSFA（営業支援ツール）などのツールで一元管理しておくと、後の分析・営業フォローが格段に効率化されます。 データ活用に有効な営業/マーケティングツールの解説が知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

関連記事：セールスとマーケティングのデータ活用！顧客理解を深化させるツール徹底ガイ

ステップ3.営業フォローの状況を可視化する

展示会で商談が伸びない最大の原因は、リードの取りこぼし（フォロー漏れ）です。まずは「どの企業が興味を持っているのか（熱量が高いのか）」を可視化し、営業が優先すべき相手を明確にしましょう。 展示会で獲得できるリード数の目安は、次のとおりです。

• 小規模ブース（6㎡程度）：1日50〜100件
• 中規模ブース（18㎡程度）：1日150〜300件
• 大規模ブース（36㎡以上）：1日300〜600件

参考：【2025年版】展示会での名刺獲得コツ40選｜成約率アップの秘訣

名刺が多く集まったとしても、名刺の情報だけ（量のデータ）では優先順位が判断できません。実際に商談につながりやすいのは、展示会後にインテントが見られる見込み顧客です。

具体的には、次のような行動を確認しましょう。

• 展示会後のWebサイト再訪問
• 資料ダウンロード
• メールの開封・クリック
• フォロー実施率（営業が実際にアプローチできているか）

これらはすべて「質のデータ」であり、誰が今まさに検討しているかを可視化する材料です。AIを活用したツールを使えば、こうした行動データを自動で追跡し、どの企業を優先フォローすべきかが明確になるため、商談化率が大きく向上します。

なお、ログリー株式会社では「展示会データ×Web行動データ」の掛け合わせで商談化を加速させるAIツール『ウルテク』を提供しています。導入事例に興味がある方は、こちらの記事をご覧ください。

関連記事：AIとインテントデータで”見えない顧客”を可視化。オフライン連携で「攻めのマーケティング」へ

ステップ4.成果を計測する

展示会で“実際にどれだけ成果が出たのか”を判断するために、数字での評価は欠かせません。ここで見るべきなのは名刺数ではなく、ステップ1で設定した商談数や商談化率、受注数といったKPIです。 名刺数はあくまで「接点を得た量」であり、それだけでは展示会の成果は判断できません。 一方、商談化率を確認すると、展示会で集まったリードの質や、営業フォローの適切さがはっきりと見えてきます。

さらに、受注後のLTV（顧客生涯価値）を見ることで、展示会の価値を短期的な数字だけでなく、長期的な収益という観点から評価することも可能です。成果計測は、「今回の展示会は本当に成功だったのか？」を証明する重要なステップといえます。

ステップ5.ROI（費用対効果）を算出する

ROI（費用対効果）とは、「投資した費用に対して、どれだけ成果が返ってきたか」を数値で表す指標です。展示会はブース費用・装飾・人件費・ノベルティなどまとまったコストがかかるため、このROIを算出しておくことが欠かせません。

ROIを計算する際に使う主な指標は、次のとおりです。

• 展示会費用総額
• 受注金額
• 利益（粗利）

計算式はシンプルで、「（利益 − コスト）÷コスト×100」で算出できます。 ROIを算出することで、展示会が投資に見合っていたのか、他の施策と比べて効率が良かったのか、そして社内でどのように評価すべきかを客観的に判断できます。

ステップ6.過去出展と比較し、改善点を見つける

最後のステップは、今回の展示会と過去の出展データを比較し、成果の伸びた点・課題として残った点の整理です。数字の増減だけを追うのではなく、「なぜそうなったのか」を読み解くことで、次回の展示会で商談成果をさらに伸ばすヒントが得られます。

比較に使える主な指標は、次のとおりです。

• 名刺獲得数の推移
• 商談数・商談化率の比較
• Web行動（再訪問数・資料DL数など）の変化
• フォロー実施率の改善
• その他、目的に応じた個別の指標

展示会後のWeb行動やフォロー率の変化は、営業プロセス全体の強み・弱みを浮き彫りにする重要な材料となります。 過去との比較は単なる棚卸しではありません。「何が成功し、何が課題だったのか」を客観的に可視化し、次回の展示会戦略へ反映するための、重要な振り返りステップです。展示会のPDCAを正しく回すことで、フォローアップの精度が上がり、商談につながる“リードの質”も継続的に改善できます。

展示会の成果は“測定×改善のサイクル”で大きく伸びる

これからの展示会で成果を伸ばす鍵は、名刺の枚数といった“量の指標”ではありません。 より重要なのは、展示会後に見込み顧客がどれだけ関心を示したかというインテントデータを読み取り、施策の質を高めていくことです。測定し、改善し、また次に活かす。このシンプルなサイクルこそが、商談数・受注数を着実に伸ばす方法です。

なお、ログリー株式会社では、展示会後の“インテントの高い顧客”を自動で見つけ出し、フォローの精度を高めるAIツール『ウルテク』を提供しています。展示会の振り返り結果をより実践的に活かし、商談機会を取りこぼさない体制をつくりたい企業に最適です。サービス資料は無料でダウンロードできますので、次の展示会で成果を底上げしたい方は、お気軽にご覧ください。

展示会後の効果測定に関してよくある質問

Q1.展示会後、商談につながりやすい相手をどうやって見つければいい？

A：展示会後に“何か行動している人”が、商談につながりやすい相手です。 Webサイトの再訪問、資料DL、メールの複数回開封など、展示会後に動いている人は検討が進んでいる可能性が高いといえます。

フォローの優先順位は次の順がおすすめです。

1. 展示会後のインテント（顧客の関心行動）が高い人
2. アンケートで興味度が高かった人
3. 名刺交換だけの人

この順でアプローチすると、無理なく商談を増やせます。より具体的なフォロー方法については、下記の記事で詳しく解説しています。

関連記事：展示会後のテレアポはもう古い？「Webを見ていた」顧客を狙い撃つ仕組み作り

Q2.効果測定はいつ、どのタイミングで実施すべき？

A：展示会が終わってから、できるだけ早いタイミングで進めるのが理想です。 まずは1〜3日以内にデータを整理し、その後1〜2週間で商談数や商談化率を振り返ります。受注状況はすぐに出ないことが多いため、約1ヵ月後を目安に最終的な評価をおこないましょう。

Q3.効果測定後、実際に何を改善すれば商談が増える？

A：改善内容は、効果測定で“どこに課題があったのか”によって変わります。 例えば、商談が少なければターゲット設定や訴求を見直す必要がありますし、フォローが遅れているなら営業プロセスの改善が必要です。数字から原因をつかみ、次回どう変えるのかを決めることで、商談数は着実に伸ばせます。