BtoBマーケティング
インテントデータ
展示会で獲得した名刺リストへのアプローチにお悩みではありませんか?電話やメールに反応がない顧客でも、実は水面下で御社のWebサイトを熟読している可能性があります。本記事では、こうした「サイレント検討層」の行動を「インテントデータ」として可視化し、商談につなげる具体的な手法を解説します。IP分析による企業特定から、最新のID解析を用いた高度な追客まで、営業効率を最大化するデータ活用のノウハウをお届けします。

目次
展示会の会期が終わり、手元に残った数百枚の名刺。翌日からお礼メールを一斉送信し、見込みがありそうな企業には電話をかける。BtoBマーケティングや営業の現場では見慣れた光景です。
しかし、その結果はどうでしょうか。メールの開封率は芳しくなく、クリックなどの反応もまばら。焦って電話をかけても「ただいま席を外しております」と繰り返され、あるいは受付でブロックされてしまう。何度かアプローチを試みたものの、結局あきらめてリストの奥底に眠らせてしまう。そんな経験をして、思わずため息をついたことがある方は少なくないはずです。
「電話には出ないけれど、御社のサイトは毎日閲覧している」
もし、そんな顧客がリストの中に隠れているとしたらどうでしょうか。反応がないからといって、彼らに興味がないわけではありません。むしろ、営業担当者とは話したくないけれど、製品には強い関心を持っているというケースが往々にして存在します。
彼らの無言の購買意欲、すなわち「インテント(意図)」を可視化するのが、近年BtoBマーケティングの領域で重要視されている「インテントデータ」です。本記事では、展示会リードのWeb行動をデータとして可視化し、相手が欲している最適なタイミングでアプローチして商談化するための具体的な手法について解説します。
インテントデータについては「インテントデータとは? | BtoB営業・マーケの成果を変える「顧客の興味」を知る方法」で解説!
データ活用といっても、難解な解析技術の話ではありません。顧客が今何を考え、何を求めているのかを想像するための、確かな根拠を手に入れる話です。
名刺交換をした相手が、こちらのメールや電話に一向に反応しない。この事実に直面したとき、私たちはつい「脈なしだった」と判断しがちです。しかし、顧客の視点に立ってみると、まったく別の景色が見えてきます。
彼らが反応しない最大の理由は、製品に興味がないからではなく、「今はまだ売り込まれたくないから」である可能性が高いのです。
現代のBtoB購買プロセスにおいて、顧客の行動様式は大きく変化しています。ある調査によると、BtoBの購買担当者が営業担当者にコンタクトを取る時点ですでに、購買プロセスの過半数が完了しているとも言われています。
展示会で製品を知った後、彼らは何をするでしょうか。すぐに電話をかけてくることは稀です。まずはこっそりと検索エンジンで製品名を調べ、御社のWebサイトを訪れます。機能詳細を確認し、導入事例を読み込み、競合製品と比較検討を行う。これら一連の情報収集を、営業担当者の力を借りずに、自分たちだけで済ませようとします。
このWeb上での情報収集活動、つまり「どのページを見たか」「どれくらいの頻度で訪れているか」「どの資料をダウンロードしたか」といった行動履歴こそが、顧客の興味関心を示す「インテントデータ」そのものです。
ここで、あるSaaS企業でマーケティングを担当していたBさんの事例をご紹介しましょう。
Bさんは、大規模な展示会に出展し、目標を大きく上回る数の名刺を獲得しました。意気揚々とインサイドセールスチームにリストを渡し、架電を開始してもらいました。しかし、アポ獲得率は想定を大きく下回ります。「展示会ではあんなに熱心に話を聞いてくれたのに、なぜ?」とBさんは首をかしげました。
数ヶ月後、Bさんはある業界ニュースを見て愕然とします。展示会で名刺交換をした有力企業のひとつが、競合他社の製品を導入したというプレスリリースが出ていたのです。
その企業は、Bさんのチームが何度電話しても「担当者は不在」で、メールにも返信がなかった先でした。Bさんは「脈なし」リストに分類していましたが、実際にはその裏で、彼らは熱心に情報収集を行い、導入検討を進めていたのです。ただ、「Bさんの会社からの電話に出なかった」だけでした。
もしBさんが、電話の応答履歴だけでなく、Webサイトへのアクセス状況(インテントデータ)を見ていたらどうなっていたでしょうか。「電話には出ないが、昨日も料金ページを見ている」という事実に気づけたかもしれません。そうすれば、アプローチの方法やタイミングを変え、競合に奪われる前に商談の機会を作れた可能性があります。

重要なのは、具体的な検討段階に入り、見積もりが必要になるなどの明確なトリガーがない限り、顧客は問い合わせフォームに入力しようとはしないということです。
つまり、マーケティングオートメーション(MA)ツールやCRMの管理画面上で「フォーム通過」の履歴がなく、メールへの反応もなければ、表面上は完全に「反応なし」に見えます。しかし、水面下では高いインテント(意図)を持ってサイトを熟読しているサイレントな検討層が存在する。このギャップにこそ、大きな機会損失と、同時に大きなチャンスが眠っています。
この「匿名のインテント」をいかに検知し、適切なタイミングで手を差し伸べられるかが、展示会経由の商談化率を劇的に変える鍵となります。

では、フォームに入力してくれない、名前もわからない「匿名ユーザー」のインテントデータを、どうやって収集すればよいのでしょうか。「誰が見ているかわからないのでは、手の打ちようがない」と考えるのが自然かもしれません。
しかし、第一歩として非常に有効かつ、すでに多くの企業で実践可能な手法があります。それが、Webサイト来訪者の「IPアドレス」を活用した企業分析です。
インターネットに接続する際、すべてのデバイスには「IPアドレス」という識別番号が割り振られます。個人の家庭用回線では変動することが多いですが、多くの企業や組織では、セキュリティや管理の観点から固定のIPアドレス帯域を取得して利用しています。
この仕組みを利用し、Web解析ツールやIP分析ツールを導入することで、「どのIPアドレスからのアクセスか」を判別し、そこから「どの企業からのアクセスか」を逆引きして特定することが可能になります。
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もちろん、これだけで「〇〇部の佐藤さん」という個人名まで特定することはできません。しかし、「株式会社〇〇の誰かが、今このページを見ている」という事実は掴めます。これは自社サイト上の行動履歴であるため、「1stパーティ・インテントデータ」の一種と言えます。
このIP分析を活用すると、展示会後の追客プロセスはどのように変わるのでしょうか。
最も即効性があるのが、展示会直後の「答え合わせ」です。展示会でお礼メールを送った後、反応がない企業があったとします。通常ならそこで追撃の電話をするか悩むところですが、ここでIP分析データを参照します。
もし、名刺交換した「株式会社〇〇」からのアクセスが、メール送信直後に確認できたとしたらどうでしょう。しかも、トップページだけでなく、製品の仕様ページや導入事例ページを複数回閲覧していたとしたら。それは間違いなく、メールをきっかけに興味を持ち、検討を進めているサインです。
電話に出なくても、メールに返信がなくても、彼らは「動いて」います。この事実を知っているだけで、営業担当者は「先日お送りした資料の件ですが、詳細な事例もございますので…」といった、相手の関心に合わせた文脈で自信を持ってアプローチできます。
もう一つの強力な使い方は、時間の経過したリードの掘り起こしです。
展示会から半年が経過し、すっかり疎遠になってしまった企業があるとします。定期的なメルマガも開封されているか怪しい。そんな企業が、ある日突然、御社のWebサイトを訪れ、「料金ページ」や「機能比較表」を閲覧し始めたとしたら、それは何を意味するでしょうか。
おそらく、社内で新たなプロジェクトが発足したか、あるいは予算申請の時期が近づき、以前検討していた製品の導入を再検討し始めた(インテントが高まった)サインです。
IP分析を行っていなければ、この変化に気づくことはできません。しかし、インテントデータを可視化していれば、この「再燃」の瞬間を捉えることができます。闇雲に過去の名刺リストの上から順に電話をかける「ローラー作戦」はもう必要ありません。「今、関心が高まっている企業」だけに絞って架電する、非常に効率的で、かつ顧客にとっても迷惑になりにくい営業活動が可能になるのです。
ここまで、IPアドレスを活用したインテントデータの可視化について解説してきました。「なるほど、IPアドレスを見ればいいのか」と思われたかもしれません。確かにIP分析は強力な武器ですが、昨今のビジネス環境の変化により、いくつかの課題も浮き彫りになっています。
読者の皆様の中には、次のような疑問や懸念を持たれる方もいらっしゃるでしょう。「テレワークが普及した今、会社のIPアドレスなんて役に立つのだろうか?」「データが見えたところで、営業担当者が本当に動けるのか?」
ここでは、そうした現場のリアルな課題に向き合いながら、IP分析の限界を補う次世代のアプローチについて掘り下げていきます。
IP分析の最大の弱点は、昨今の働き方の変化です。社員がオフィスに出社せず、自宅のWi-Fiや個人のモバイル回線からアクセスする場合、企業の固定IPアドレスは使われません。その結果、アクセス解析上ではプロバイダのIPとして認識され、「どこの企業か不明」なアクセスとして処理されてしまいます。
「株式会社〇〇」の担当者が自宅から熱心にサイトを見ていても、IP分析だけではそのインテントを見落としてしまうリスクがあるのです。
もう一つの課題は、IP分析があくまで「自社サイトに来訪したユーザー」しか分析できない点です。
顧客の検討プロセスは、御社のサイトに来るずっと前から始まっています。たとえば、「業務効率化 ツール」「〇〇管理システム 比較」といったキーワードで検索したり、比較サイトで競合製品のレビューを読んだりしている段階です。この「自社サイト外でのインテント行動」こそが、ニーズが発生した最初期のサインですが、自社のアクセスログだけを見ていてはこれに気づけません。
そして最も深刻なのが、運用面の課題です。「〇〇社がサイトに来ている」というレポートが週に一度送られてきても、多忙な営業担当者はそれを見てアクションを起こせるでしょうか。「で、結局誰に電話すればいいの?」「先週アクセスがあったと言われても、もう遅いのでは?」といった不満が出るのは、データ活用における典型的な失敗パターンです。
データは鮮度が命であり、アクションに直結しなければ意味がありません。
こうした課題を解決し、展示会リードの商談化を強力に後押しするために開発されたのが、当社のサービス「ウルテク」です。
ウルテクは一般的なIP分析の枠を超え、より網羅的かつ実践的なインテントデータ活用を実現します。

ウルテクは、IPアドレスによる判定に加え、独自の「ブラウザID解析」技術を組み合わせています。これにより、一度接点を持ったユーザーであれば、たとえ自宅やカフェからアクセスしていても、その動きを企業や個人のリード情報と紐付けて可視化することが可能です。
テレワーク環境下であっても、展示会で出会ったあの担当者がサイトに戻ってきたことを逃さず検知できます。これにより、従来の手法では見落としていた「隠れ検討層」をすくい上げることができます。
さらに、ウルテクは自社サイト以外のWeb行動データ(3rdパーティ・インテントデータ)の活用も支援します。
「競合サービスを比較している」「関連キーワードを頻繁に検索している」といった、Web全体での興味関心の高まりを捉えることができます。これにより、まだ御社のサイトには訪れていない、しかしニーズが顕在化し始めている段階で、先回りのアプローチを検討することが可能になります。展示会で名刺交換したものの、まだ自社サイトには来ていない企業が、実は他社サイトで活発に情報収集していることに気づけるのです。
データ活用の運用課題に対しては、「リアルタイム通知」で解決を図ります。
「過去の展示会リードである株式会社A社が、今まさに料金ページを見ている」といった、インテントが高まった決定的な瞬間を、Slackやメールで営業担当者に即時通知します。週次レポートを確認する手間はなく、通知が来た瞬間に「お困りごとはありませんか?」と連絡する。このスピード感が、アポ獲得率を劇的に向上させます。
営業担当者にとっても、闇雲な電話営業ではなく、「今興味を持っている相手」へのアプローチとなるため、心理的な負担が減り、歓迎される営業活動へと変化します。

展示会後の「反応がない」状態は、決して「終わり」ではありません。むしろ、顧客が自らのペースで検討を進めている「始まり」の期間であることも多いのです。
メールの返信がない、電話に出ないといった表面的な反応だけでリードを切り捨ててしまうのは、非常にもったいない機会損失です。彼らのWeb上の行動、すなわちインテントデータには、言葉には出さない雄弁なサインが隠されています。
重要なのは、その隠れたインテントを見逃さず、可視化することです。まずは一般的なIP分析から始めて、自社サイトへの企業アクセスを確認してみるのも良いでしょう。それだけでも、今まで見えていなかったチャンスが見えてくるはずです。
さらに一歩進んで、「テレワーク環境でも取りこぼしなく検知したい」「サイト来訪前の予兆まで捉えたい」、そして「営業現場が即座に動ける仕組みを作りたい」とお考えの場合は、ぜひ「ウルテク」の活用をご検討ください。
「忘れた頃に連絡が来る」のを待つ受け身の営業から、インテントデータという根拠に基づいて「相手が欲しいタイミングで声をかける」攻めの営業へ。データの力で、展示会リードという資産の価値を最大化しましょう。
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