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匿名企業×行動データ×CRMで実現する、B2Bマーケティングの「意思決定フロー」と施策活用

B2Bマーケティングの鍵となる「匿名検討層」を取りこぼさないためのデータ活用術を解説します。匿名アクセスやCRMなど4つのデータを「企業単位」で統合し、成果に繋げる「意思決定フロー」を提案。データを見る順番を「企業→温度→理由→打ち手」と定型化し、具体的な施策(広告・営業連携等)へ迷わず落とし込むための実践的ノウハウを紹介します。データを行動に変え、商機を逃さないための運用ガイドです。

当社では「企業→温度→理由→打ち手」と定型化し、具体的な施策に落とし込めるBtoBマーケティングエージェント「ウルテク」を提供しています。具体施策に興味がある方は以下から資料ダウンロードください。


「Webサイトには毎月多くのアクセスがあるのに、問い合わせフォームからのコンバージョンがいっこうに増えない」

B2Bマーケティングの現場で、このような焦りを感じたことはないでしょうか。アクセス解析ツールを見れば数字は動いている。しかし、それが具体的な商談や売上につながらない。まるで、暗闇の中で見えない相手に向かってボールを投げ続けているような感覚に陥ることがあります。

実のところ、B2Bマーケティングにおいて「Webサイトには来ているが、フォーム入力はしていない」という匿名の検討層は、コンバージョンに至った企業の数倍から数十倍は存在すると言われています。多くの購買担当者は、営業担当者と接触するはるか手前、Web検索や比較サイトを通じた情報収集の段階で、すでに勝負の大半を決めてしまっているのです。つまり、「名乗る前」に、私たちの知らないところで勝敗がついているケースが往々にしてあります。

ここでコンバージョンデータだけを追いかけていては、水面下で動いている有望な企業を見逃し、施策は常に後手に回ってしまいます。競合他社に先手を打たれ、こちらが気づいたときには比較検討のテーブルにすら乗れていない。そんな事態だけは避けなければなりません。

この状況を打破するために必要なのが、バラバラに存在しているデータを「企業」という単位で束ね、可視化することです。具体的には、「匿名企業データ」「サイト内行動」「サイト外インテント」「CRMデータ」の4つを統合します。

本記事では、これらのデータを統合し、そこからどのようにして具体的な施策(広告、ポップアップ、営業アプローチなど)へ落とし込むか、その「意思決定フロー」について解説します。単なるツールの使い方ではなく、明日からの業務で迷わないための判断基準をお伝えできればと思います。

目次

見る順番は「企業→温度→理由→打ち手」

インテントデータやMAツールを導入した直後の担当者が、最初につまずくポイントがあります。それは「データが多すぎて、どこから見ればいいか分からない」という問題です。

ダッシュボードには、来訪企業名、PV数、セッション時間、閲覧ページURL、スコアなど、膨大な指標が並んでいます。これらを漫然と眺めていても、「へぇ、有名な企業が来ているな」という感想止まりで、次のアクションにはつながりません。

データの海で迷子にならないための鉄則は、見る順番を固定することです。私はこれを「企業→温度→理由→打ち手」の4ステップと呼んでいます。この順序でデータを確認していくことで、単なる数字の羅列が、意思決定のための材料へと変わっていきます。

① 企業(誰が):ターゲットか否かの選別

最初のステップは、IPアドレス解析技術などを活用し、匿名のアクセスを「企業名」として可視化することです。ここで重要なのは、単に来訪企業をリストアップすることではありません。「自社にとってアプローチすべき企業かどうか」を瞬時に判断することです。

例えば、自社が定義したターゲットリスト(ABMリストなど)に含まれる企業からのアクセスであれば、それは最優先で対応すべきシグナルです。逆に、ターゲット外の企業や、競合他社、パートナー企業からのアクセスであれば、この時点でお見送り(または優先度低)と判断します。

入り口の段階で「誰が」を明確にフィルタリングすることで、後の工程にかかる無駄なリソースを大幅に削減できます。

② 温度(どれくらい):行動量による熱量の測定

ターゲット企業からのアクセスだと分かったら、次は「本気度」を測ります。これを「温度」と表現しています。

判断材料となるのは、サイト内での行動強度です。 単にトップページを一度見ただけなのか、それとも製品ページを何度も往復しているのか。あるいは、導入事例ページを読み込み、料金ページまで到達しているのか。

具体的な指標としては、来訪回数、閲覧ページ数、滞在時間、そして「キラーコンテンツ(料金表や仕様書など)」の閲覧有無などが挙げられます。この温度感によって、今すぐアプローチすべきか、もう少し様子を見るべきかの判断が分かれます。

③ 理由(なぜ):文脈の特定

企業と温度が分かっても、それだけでは適切なメッセージを投げかけることはできません。「なぜ、その企業は今動いているのか」という背景を探る必要があります。これが第3のステップ、「理由」の特定です。

ここで役立つのが、サイト内での閲覧履歴の深掘りと、サイト外インテントデータです。 例えば、自社サイト内で「セキュリティ対策 事例」という記事を熱心に読んでいるのであれば、その企業の課題感はセキュリティ強化にあると推測できます。 また、外部メディアでの行動データ(サイト外インテント)を参照し、「クラウド移行」や「コスト削減」といったキーワードで検索していることが分かれば、それが彼らの現在地です。

相手の文脈を知ることは、後のアプローチで「的外れな提案」をしないための命綱となります。

④ 打ち手(どうする):アクションの確定

ここまで情報が揃って初めて、具体的なアクションを選択できます。

  • まだ情報収集中で温度感が低い(①◯、②△、③収集中)
    • → 広告で追客し、認知を維持する。
  • 特定の課題解決策を探しており、温度感が高い(①◯、②◎、③課題特定済)
    • → インサイドセールス(IS)から架電し、課題に合わせた情報提供を行う。
  • 既存顧客が解約ページを見ている
    • → カスタマーサクセス(CS)へ即時アラートを飛ばす。

このように、①〜③の組み合わせによって、④の打ち手を自動的に決めておくことが、運用を迷わせないコツです。

データ統合の考え方:「1社1行」の発想で部門間言語を統一する

マーケティング施策と営業活動をスムーズに連携させるために、もう一つ避けて通れない議論があります。それはデータの持ち方、管理の仕方についてです。

マーケティング担当者と営業担当者の会話が噛み合わないという悩みは、多くの企業で聞かれます。 「今月はリードをこれだけ獲得しました」と胸を張るマーケティング側に対し、営業側は「でも、案件化するような質の良いリードはほとんどなかった」と冷ややかな反応を示す。このような不毛な対立が起きる根本原因の一つは、見ているデータの「単位」がズレていることにあります。

マーケティング部門は、Googleアナリティクスに代表されるように、これまで「UU(ユニークユーザー)数」や「PV(ページビュー)数」といった、個人・ブラウザ・セッション単位でデータを見ることに慣れ親しんできました。 一方で、B2Bの営業部門は常に「企業(アカウント)」単位で動いています。彼らが知りたいのは、「どこの誰が」ではなく、「〇〇株式会社が今どういう状況か」なのです。

このズレを解消するための合言葉が、「1社1行」という発想です。

全てのデータを「企業ID」で串刺しにする

Webサイトへのアクセスデータ(匿名・実名問わず)やインテントデータを、すべて「企業単位」に名寄せします。そして、そこにCRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)のデータも統合します。

Excelの表をイメージしてください。一番左の列に「企業名」が並び、1つの企業につき1行だけが存在する状態です。その横の列に、「直近のWebアクセス状況」「外部サイトでの検索興味」「現在の商談フェーズ」「過去の失注理由」「担当営業名」といった情報が紐付いていきます。

これが実現できると、意思決定の精度は劇的に向上します。

例えば、Webサイト上で非常に熱心な動きを見せている企業があったとします。Webデータだけを見ていれば「今すぐ営業電話だ!」となりますが、もしCRMデータが統合されていれば、「実はこの企業は現在、別の部署で大型商談が進行中である」と分かるかもしれません。その場合、マーケティング部門が横から安易にアプローチすることは、現場の混乱を招くリスクになります。むしろ、「担当営業にWeb上の動きをそっと伝える」のが正解でしょう。

あるいは、「過去に失注している」というデータがあったとしても、失注理由が「機能不足」ではなく「時期尚早(予算がつかなかった)」であればどうでしょうか。今またWebサイトに来ているということは、新年度になって予算がついた、あるいは再検討のフェーズに入った可能性が高いと判断できます。これは絶好のアプローチ機会です。

このように、Web上の「今の動き」と、CRM上の「過去・現在の関係値」をセットで見ることではじめて、相手にとって心地よい、適切なタイミングでのコミュニケーションが可能になります。

分析のゴールは3つだけ:優先順位・メッセージ・次の一手

「データ分析」と聞くと、複雑な統計処理や美しいグラフ作成をイメージするかもしれませんが、日々のB2Bマーケティング運用においてそこまでの高尚な作業は必要ありません。 データを分析する目的は、あくまで「次のアクションを決めること」です。

シンプルに考えましょう。分析のアウトプット(出力結果)は、突き詰めれば以下の3つに集約されます。

A. 今週追うべき企業リスト(優先順位)

リソースは有限です。数千、数万のアクセス企業すべてに対応することは不可能ですし、その必要もありません。 膨大なアクセス企業の中から、「企業属性(ターゲットか)」と「行動量(温度感)」を掛け合わせ、今まさに検討フェーズが高まっている「ホットな企業」をリストアップすること。これが第一のゴールです。 「今週はこの50社に注力する」と決めきることが、成果への近道です。

B. その企業に刺さる論点(メッセージ)

リストアップした企業に、どんな言葉で話しかけるべきか。その仮説を立てることが第二のゴールです。 前述の「理由(なぜ)」の分析がここで活きてきます。その企業が閲覧しているコンテンツから、「セキュリティ強化」に関心があるのか、「業務効率化」を求めているのか、あるいは「コスト削減」が至上命題なのかを推測します。 この仮説があるだけで、インサイドセールスのトークスクリプトや、送付するメールの件名、本文の書き出しはガラリと変わります。「御社の課題はこれではないですか?」と寄り添う姿勢を見せることで、相手の反応率は大きく変わるはずです。

C. 次の一手(チャネル/施策)

最後に、どうやって接触するかを決めます。 電話で直接話すべきか、まずはメールで資料を送るべきか、それともまだ直接接触は控え、広告配信で外堀を埋めるべきか。相手の状態(温度感や関係値)に合わせて、最適なチャネルを選択します。

この「優先順位」「メッセージ」「次の一手」。この3つが出力されない分析は、ただの「データの鑑賞会」になってしまいます。

施策に落とす“4つの基本ルート”

意思決定の準備が整ったら、いよいよ実行です。ここでは、統合したデータを具体的な施策へ落とし込むための、代表的な4つのルートを紹介します。

1. 追客広告(リターゲティング等)

検討初期〜中期の企業、あるいは「ターゲットだがまだ温度感が上がりきっていない」企業に対して有効なルートです。 ここでは、単に「サイトに来た人」全員に同じ広告を出すのではなく、データの文脈を活用します。例えば、「クラウド移行」カテゴリのページを見た企業群や、外部サイトで関連キーワードを検索している企業群だけに絞り込み、その課題解決を訴求する広告を配信します。 企業単位(IPアドレス単位など)でターゲティングを行うことで、個人情報保護の観点でもリスクを抑えつつ、関心のある層にピンポイントで情報を届けられます。無駄な広告費を抑え、競合への流出を防ぐ「防波堤」としての役割を果たします。

2. Web内パーソナライズ

せっかくWebサイトに来訪してくれた企業を、手ぶらで帰さないための施策です。 IPアドレスから判別した企業属性(業種や規模)や、過去の行動履歴に合わせて、サイト上で表示するポップアップやバナーを出し分けます。 例えば、製造業の企業からのアクセスであれば「製造業向けの導入事例集」のダウンロードバナーを表示したり、大企業からのアクセスであれば「エンタープライズ版のセキュリティ解説」への導線を目立たせたりします。 「自分に関係がある情報だ」と認識してもらうことで、離脱を防ぎ、資料請求や問い合わせへのコンバージョン率(CVR)向上を図ります。

3. 営業連携(ISへのパス)

検討度合いが十分に高いと判断された重要企業については、インサイドセールス(IS)へアラートを飛ばし、架電や個別メールのアプローチを依頼します。 ここでのポイントは、単に「〇〇社が来ました」と伝えるだけでは不十分だということです。 「〇〇社が、昨日の午後に『料金ページ』と『導入までの流れ』を計5回閲覧しています。過去に『セキュリティ』関連の記事も読んでいるため、セキュリティ要件を気にしつつ、具体的な導入検討に入っている可能性が高いです」 ここまで具体的な文脈情報(インテリジェンス)をセットで渡すことで、営業担当者は「先日ご覧いただいたセキュリティの記事についてですが…」といった、文脈を押さえた架電が可能になります。これは、相手にとっても唐突なコールドコールではなく、「役に立つ情報提供」と受け取られやすくなります。

4. コンテンツ企画

個別の企業対応だけでなく、アクセスデータをマクロな視点で見ることも重要です。 「最近、〇〇という特定の業務課題に関する記事が、ターゲットとしているエンタープライズ企業によく読まれている」という傾向が見えたとします。それは、市場全体でその課題への関心が高まっているサインかもしれません。 そうした兆候をいち早くキャッチし、そのテーマを深掘りするホワイトペーパーを新たに制作したり、専門家を招いたウェビナーを企画したりします。需要のあるテーマにリソースを集中投資することで、効率的に見込み顧客を集めることができます。

よくある失敗と処方箋

ここまで理想的なフローを解説してきましたが、現実はそう簡単ではありません。多くの企業がデータ活用の途中でつまずき、壁にぶつかります。 ここでは、現場でよくある「失敗パターン」と、それに対する考え方(処方箋)を共有します。また、読者の皆さんが抱くであろう「懸念」についても触れておきたいと思います。

失敗1:レポートが“数字の羅列”で終わる

これは最も多いケースです。高機能なツールを導入し、毎週のように詳細なレポートが出力されるものの、誰もそれを活用できていない状態です。「今週のPVは先週比105%でした」「へぇ、よかったね」で会話が終わってしまう。 このような状況に陥る原因は、「判断基準」が決まっていないことにあります。

処方箋: 前述した「意思決定の型(企業→温度→理由→打ち手)」をチームの共通言語にしてください。数字の増減を報告するのではなく、「打ち手」を決めるための会議に変える必要があります。レポートのフォーマットも、結果(数字)だけでなく、ネクストアクションを記入する欄を目立つように配置することをお勧めします。

失敗2:インテントデータが“面白い”で止まる

「へぇ、あの有名企業がうちのサイトを見に来てるんだ、意外だね」「面白いね」 この感想で終わってしまうのも、よくある落とし穴です。知的好奇心は満たされますが、ビジネスへのインパクトはゼロです。アクションに繋がらないデータは、厳しい言い方をすれば「ノイズ」でしかありません。

処方箋: 「データを見たら必ず『だから、どうする』までを決める」をルール化しましょう。もし、どうしてもアクションが思いつかないデータ(例えば、まったくターゲット外の企業からの大量アクセスなど)であれば、勇気を持って「見ない」と決めることも重要です。見るべきデータを絞り込むことも、立派な戦略です。

失敗3:マーケと営業で見ている単位が違う(話が通じない)

あるSaaS企業のマーケティング担当者Aさんは、こんな経験をしました。 意気揚々と「今月はWebサイトの訪問者数が倍増しました!」と営業会議で報告したところ、営業部長から「でも、商談数は増えてないよね。冷やかしばかり連れてきても困るんだよ」と冷たく返されてしまったのです。 Aさんは個人のアクセス数(UU)を見ていましたが、営業部長は契約してくれる企業(アカウント)を見ていました。この視点のズレがある限り、両者の溝は埋まりません。

処方箋: やはり「1社1行」へのデータ統合が急務です。マーケティング側も「企業単位」で数字を見る癖をつけ、営業と同じ目線で会話ができる土台を作りましょう。「今月はターゲット企業の来訪が◯社増え、そのうち◯社を商談化できました」と言えるようになれば、営業部門の反応も変わるはずです。

読者の懸念:「とはいえ、データは完璧ではないのでは?」

ここまで読んで、「IPアドレスからの企業判定なんて精度が低いのでは?」「データだけで営業するのは危険ではないか?」という疑問を持たれた方もいるかもしれません。 おっしゃる通りです。IPアドレスによる企業判定率は100%ではありませんし、テレワークの普及で判定が難しくなっている側面もあります。また、Web上の行動だけで相手の心情をすべて理解することは不可能です。

しかし、だからといって「データを使わない」という選択肢に戻るべきではありません。 「暗闇でランダムにボールを投げる」状態よりは、「ぼんやりとでも相手のシルエットが見える方向に投げる」ほうが、命中率は確実に上がります。 データは万能な魔法の杖ではなく、あくまで確率を上げるための「補助線」です。この前提を理解し、過信せず、しかし最大限に利用するというバランス感覚を持つことが、データ活用を成功させる秘訣と言えるでしょう。

まとめ:データを行動に変える「意思決定フロー」を作ろう

B2Bマーケティングにおいて、お問い合わせ(CV)を待っているだけでは、競合に勝つことは難しくなっています。水面下で動く「匿名検討層」の動きを察知し、適切なタイミングでこちらから手を差し伸べることができるかどうかが、勝負の分かれ目となります。

本記事でお伝えした要点は以下の通りです。

  • 「企業単位」でデータを束ねる:マーケと営業の共通言語を作るためのスタートラインです。
  • 見る順番を固定する:「企業→温度→理由→打ち手」の順で見れば、データに溺れることはありません。
  • 分析のアウトプットを決める:「優先順位」「メッセージ」「次の一手」の3つが出なければ、分析完了とは言えません。

まずは、手元にあるマーケティングデータとCRMデータを見比べてみてください。ターゲット企業がWebサイトに来訪している事実はありますか? その事実は、営業部門と共有されていますか? そこにある「ズレ」や「ブラックボックス」に気づくことが、最初の一歩です。

「今まさに検討している企業」の姿がデータを通じて見えてくれば、打つべきアクションは自ずと決まってくるはずです。ぜひ、貴社の勝ちパターンとなる意思決定フローを構築してください。

よくある質問(FAQ)

Q. テレワークの普及により、IPアドレスによる企業判定の精度は落ちていませんか?

おっしゃる通り、オフィスからのアクセスが減ったことで、以前に比べると判定率は低下傾向にあります。しかし、VPN経由のアクセスや、主要なプロバイダデータの更新により、依然として一定量の判別は可能です。 重要なのは「100%の精度を目指さない」ことです。判定できたデータだけでも、「まったくの手探り」よりは遥かに高確率でターゲット企業を見つけられます。見えない部分は割り切り、見えるデータ(判定できた企業)を確実に拾うスタンスで運用することをお勧めします。

Q. 営業部門が忙しく、渡したデータを見てくれません。どう連携すれば良いですか?

営業担当者に「分析画面」や「生のログ」をそのまま見せていませんか? 営業が欲しいのはデータではなく「今、電話すべき理由」です。 「この企業がこのページを見ているので、〇〇というトークで電話してください」というように、アクションまで翻訳して渡すのがマーケティングの役割です。また、メールやチャットで散発的に送るのではなく、営業が普段使っているSFA(営業支援システム)やCRMの画面上に、その企業の動きが自動で表示されるように連携するのが最も効果的です。

Q. インテントデータやMAツールが高額で導入できません。スモールスタートする方法はありますか?

まずはGoogleアナリティクスなどの無料ツールでも、「どのページがよく読まれているか」という全体の傾向(温度や理由の推測)までは分析可能です。 また、企業判定については、安価なIP解析ツールから始めるか、あるいはフォーム営業(問い合わせ対応)に来た企業のドメインを分析して「どんな企業が興味を持っているか」の傾向を掴むだけでも、コンテンツ企画や広告のターゲティング精度を高めるヒントは得られます。ツールありきではなく、「顧客を知ろうとする姿勢」から始めてみてください。

Q. 専任のマーケティング担当がいません。兼務でもこのフローを回せますか?

はい、回せます。リソースが限られている場合こそ、「やらないこと」を決めるこのフローが役立ちます。 すべてのアクセス企業を追うのではなく、「今週アプローチするのは、特に熱量の高いトップ5社だけ」と決めてしまえば、確認作業は週に15分程度で済みます。自動通知などを活用し、人間が判断すべき箇所を極小化することで、兼務でも十分に成果を出すことが可能です。

著者紹介
井上翔太
ウルテク| URUTEQ 事業責任者 ---- 新卒で証券会社に入社し、BtoCのセールスを経験。その後、PR代理店にてBtoB・BtoC企業向けのデジタルマーケティングコンサルティングや新規営業を担当。ログリー株式会社入社後は、BtoBマーケティング向けSaaSの開発やマーケティング、セールスなどを行う。現在は、これまでの経験を活かし、BtoBマーケAIエージェント「アカウントインテリジェンスツール ウルテク」の事業責任者を務めている。

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